![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150719512/rectangle_large_type_2_af20100ed4c8fcc18d08b9a8020d7461.jpeg?width=1200)
【乙庭植物図鑑】20240814 プニカ グラナツム(=ザクロ) ‘エイトボール’ (Punica granatum 'Eight Ball')
これまで、著書や歴代ブログやwebメディアなど、さまざまな媒体に植物の解説を書いてきましたが、結構情報が散逸している状態になってきたので、マイペースではありますが、note.に私の植物や植栽に関する知識をまとめていきたいと思います(ライフワークにできたらいいな😊)。
今日は、乙庭店頭植栽で開業当初から育てていて、2024年もたくさん実がついていて豊作の予感な黒実のザクロ、プニカ 'エイトボール' (Punica granatum 'Eight Ball')を紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1723639086681-2gr5lqjfWc.jpg?width=1200)
プニカ グラナツム(=ザクロ) ‘エイトボール’ は、艶のある黒みの強い実を夏〜初冬までオーナメンタルに楽しめるとても印象的な品種です。
私の店 ACID NATURE 乙庭では開業当初の2011年に海外から輸入した苗を店頭植栽にも取り入れており、私自身とても思い入れがあり、お気に入りの樹木です。
やや矮性の品種で、完成樹高2.5m程度と、基本種のザクロよりもコンパクトにまとまります。
![](https://assets.st-note.com/img/1723641584040-txuOeIlzkq.jpg)
もちろん果肉を食用できます。ザクロの実は美容・健康に欠かせない栄養素を豊富に含み、近年、女性を中心にスーパーフルーツとして、注目を集めていますよね。
ザクロの実は、複数のポリフェノールの相乗効果による強い抗酸化作用やアントシアニンによる眼精疲労回復効果が期待できるほか、ビタミンA、C、Eや葉酸なども豊富に含み、女性に限らず、健康や老化防止を意識する方々にもっと積極的に食べていただきたいフルーツのひとつです。
ザクロは、西アジアを中心に古代から栽培されてきた歴史ある果樹。日本では昭和の庭を彷彿とさせるやや古いイメージの樹木かもしれませんが、古木になると幹が
トルネード状に捻れてとても風格がで樹形もカッコよく、タコさんウィンナーのような形状の真オレンジ色の花や鑑賞期間の長い実、秋の黄葉も美しく、とてもガーデンメリットの高い樹木として乙庭でも高く再評価している樹種です。
![](https://assets.st-note.com/img/1723642027344-VDtSns0OU0.jpg)
また昭和っぽさを感じさせるその懐かしさを逆手に引用してあえてモダンな植栽と合わせると新しい植栽表現につなげることもできますね。
夏に鮮やかなオレンジ色の固く包まれたツボミをつけ、同じく鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。
その後、秋に向けて品種名 エイトボールのごとく、ビリヤードの8番球のような艶黒い実が熟していきます。実の表皮の色は夏の時点ですでに黒みを帯びているため、実を美しく楽しめる鑑賞期間もとても長いのも良いところ。
![](https://assets.st-note.com/img/1723642056841-j4KbAuQWOv.jpg?width=1200)
また、あまり知られていないかもしれませんが、秋の鮮やかな黄葉も季節の見どころになりますし、熟した実を収穫しないでおくと、そのまま固くドライになりオーナメンタルな花材・雑貨のように楽しむこともできます。
性質は丈夫で、日本では寒冷地を除いてはさほど手間もかからず栽培容易です。
日照が少ないと実付きが悪くなるので日なたに植えましょう。
夏には翌年の花芽が枝先に形成されますので、冬に剪定する場合は、枝先を切らずに余分な枝を根元からカットして樹形を整える減らす「透かし剪定」の要領で行うと良いです。
■プニカ グラナツム(=ザクロ)‘エイトボール’
■ 学名 : Punica granatum ‘Eight Ball’
■ ミソハギ科 耐寒性低木(矮性種 冬季落葉性)
■ 花期 : 初夏~夏
■ 草丈 : 2.3m程度
■ 耐寒性 : 普通
■ 耐暑性 : 強い
■ 原産地 : 西アジア~ヒマラヤ
【私の連載が掲載された Garden & Garden 発売中です!】
私の連載「創造的 NEW GREEN GARDEN」第2回 が掲載された雑誌 「Garden & Garden vol.90」の発売中です😊
今号と次号の2回にわたる記事の前編です。
多くの方のご高覧いただけましたら幸いです。
最後に私 太田敦雄の著作や掲載誌をいくつかご紹介します。
2024年1月16日発売(本記事執筆時点では発売前)のガーデニング雑誌「Garden&Garden vol.88 (Spring 2024)」。
巻頭特集「風景ガーデニング」にて、私 太田敦雄 / ACID NATURE 乙庭 を8ページにわたり掲載いただいています。私の設計案件の中でもこれまで一般誌で解説紹介していない2つの住宅を実例に写真豊富に、自分が思い描く植栽風景を形にしていく思考のコツなどについて解説しています。私のページ以外も人気ガーデナー、ガーデンデザイナーさんの多様な植栽事例をお楽しみいただけます。
私と、おぎはら植物園の荻原範雄さん、フローラ黒田園芸の黒田健太郎さん・和義さんご兄弟との共著作「グリーントータルプランツブック」。前半の1/3を私が執筆担当しており、実例も交えた植栽論と植物の解説をしています。
私の最初の著作本「刺激的・ガーデンプランツブック」は、出版社のご都合で現在絶版となっていますが、この本に書いた内容も含めて、今後の出版物に盛り込んで、なんらかの形で情報としてこれからも手に入るようにはしていきたいと思っています。
noteの「乙庭植物図鑑」では、これまでの著書では解説していない植物も積極的に取り上げていく予定です。
自分だけの特別なお庭造りの参考になれば幸いです😊✨