【植栽家の日常】20231022 Restaurant Oliveの植栽工事 第1日め
【Restaurant Oliveの植栽】
今日は、植栽設計を担当させていただいた、鎌倉市にオープンする Restaurant Olive さんの植栽工事に行ってきました。
私的には普通に休日の日曜日ですが、工事を手伝ってくださる方がお忙しくて今日しか空けられないとのことで、快く合わせて日曜日仕事です(とはいえ、ダルダルで仕事をする姿勢はとても嫌いなので、もちろん手は一切抜きません)。
現場が遠いので6:00amには、今日植える植物を満載して群馬を出発!
今日は弊社副代表の松島もいっしょに作業してくれるので、作業も心強く、行き帰りのドライブもおしゃべりしながらで楽しい移動時間でした。
Restaurant Oliveは、建築設計事務所 mico. さん設計による下写真のとてもカッコいい建築、「鎌倉アパートメント」の1階にオープンする無国籍創作料理のレストランです。
植栽前の現地調査のことなど、過去記事に書いています。
竣工時の様子は新建築2023年2月号にも掲載されています。
【海なし県在住の者としては、たまに見る海がとても新鮮】
現場近くになると江ノ島あたりの海沿いを走るルート。私が住む群馬県は海のない県なので、たまに見る海の景色はとても気分が上がります。
お天気もよく、秋の朝の海はとても清々しかったです!
休日の仕事出張ではありますが、素敵な見どころのある土地への遠征もあり、また自分がデザインした案(絵)が現実のものとなって創り上がっていくというのは、ワクワク感もありとてもエキサイティングなことです。
植栽の作業自体は結構重労働もあるので、決して楽というわけではないのですが、単なる労働力として参加するのではなく、「自分が考案した自分の作品」であるので、とても気持ちを入れて取り組めますね(工事に参加する全ての人間が、「自分の作品」と思って取り組むべきとも思いますが)。
【暗くなる前に、なんとか完成に近いところまで作業進めました】
植え場所の土がとても硬くて掘りにくく、途中気持ちがくじけそうになりつつも頑張って作業を続け、暗くなる前にはなんとか完成に近いところまで植栽作業を進めることができました!
地面が硬くて掘りにくい場所や作業スペースがとても狭くて施工しくい場所もあり、施工作業は結構タイヘンでしたが、ほぼ設計したとおりというか、私の頭の中にあった通りに実現できました。
私は、図面が現実になるときの「画から現に」という感覚がとても楽しく思えるのと、絵にした時点で頭の中には大体の実現像は出来上がっているので、あえて結構抽象的な手描き図面で作業を進めることが多いです。
あまりにリアルにCGなどでシュミレーションしすぎると、想像力が痩せるというか「絵の時点で出来上がっている」気分になってしまい、それを実施工しても予定調和な感じがしてあまりワクワクしないんですね。
少しでも多く「まだ見ぬ空想上のモノが顕現する過程」を楽しみたいんです。
私も以前は、CADでより厳密に図面作成していたのですが、結局、キチンと絵を描いても、植物は個体差があるので設計と実際の植物の大きさが違って位置がズレるなんて日常茶飯事ですし、実際に仮置きしてみたら植物の配置を入れ替えた方がより良いかえ変えちゃおうなんていうのもいつものことなので、あまり厳密に描く意味ってないのかなと思えて、現在の手描き図面のスタイルになりました。
(とはいえ、プレゼンはもう少しキレイに作ろうかなと常に思っています😅)
植栽に関していうと、キッチリ図面通りに施工するとなんだか堅苦しい感じになったりとか、植物の個体差や植える向きや植え方で見た目や印象がガラッと変わってしまうので、図面に描けない「現場でのアドリブでセンスよく意思決定していく要素」がかなり多いんですよね。
つまり、図面に描かれたプランにさらに即興的なセンスがプラスされて最終的な植栽の美観が完成されるということです。
私は、自分でコンセプト練りから設計と施工の監督までするので、施工時には完全に図面は頭に入っている上で、実施工中にかなり即興的に審美的調整を加えて植栽を完成させていきます。
音楽でいうなら、暗譜するまで練習した上で、本番では即興も加えてよりエキサイティングなライブパフォーマンスする感じ。ジャズみたいな手法ですかね。
本件のコンセプトは「植栽はフュージョン(融合)する」。
歴史的なモノと現代的なモノが融合した鎌倉という敷地の特性と、無国籍創作料理レストランにちなんで、原生地も日本に導入された園芸時代感も異なる植物を分け隔てなく織り交ぜて、フュージョンさせています。
手前ミソですが、とても私らしくもあり、レストランのコンセプトや建築、街の雰囲気にも似合った植栽空間になったと思います😊