大人になるしかなかった


誰が想像するだろう
今の私がこんなにもボロボロになるなんて

昔に母に言われた言葉を思い出した
「強い人になりなさい」
「誰かを傷つける人になるな」

子供の私は深い意味なんてわからなかったけど
母が大事にしてる思考だと感じて守ってきた

母みたいな素敵な女性になりたかったから
でも、大人になっていやでもわかった
母の後ろに見え隠れする不安と葛藤

父と母は私が6歳の頃離婚した
気づいたら母が見せる笑顔はなくなっていた
生きるのに必死だったんだろう。

「あれがほしい」
「これがいい」
「あそこに行きたい」
「これが食べたい」
そんな事を叶えてくれる事も少なかった
いつの間にか、
私が我慢したらいいと思うようになっていた。

兄は自分勝手で周りから可愛がられ
私はしっかりしろと言われる日々に疲れて
いつからか自分の中での自分が消えた

憧れていた土地に行くことを諦め
夢を追うための学校へ行く事も諦め
責められるたび、私が黙ってたら丸く収まる
そう思っていた。

私はよく周りの人から
「まだ若いのに大人な考えだね」
とか
「まだ若いのに言葉遣いとかしっかりしてるね」
って散々言われてきた。

私は全て諦めていたのかもしれない
平和を望んで
笑顔でいなきゃと思い込んで
知らないうちに自分を犠牲にしてたのかもしれない
私は私が何者かもわからないままここまできた

「何を思ってるのかわからない!」
「私のことどう思ってるの?」
「どうして怒るところで怒らないの?」
昔の友達から散々聞かれて適当に話を逸らした


しょうがないじゃん。
しょうがないじゃん。
私は大人になるしかなかったんだから。


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