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どんな人と関わるか。

かたくななところがある、という自覚がある。

たとえば、子どもの通う小児科。
この医師からはなんの愛情も感じない、と思ったら即病院を変えるので、夫はそんな私に閉口している。

症状だけを診て、やっつけ仕事のように抗生剤を処方してくる(と私には見える)医師と、
子どもの目を見て、対話し、心と身体を診たうえで、「痰を出やすくするシロップだけ出しておくからね。お風呂でしっかりあったまるんだよ」と言う医師。間違いなく後者を選ぶ。

「こういう癇癪持ちの子はねぇ、アレルギーの治りも遅いんだよ」

小1次男が3歳のとき、食物アレルギー負荷治療の際、医師からめんどくさそうな表情でそう言われ、
「あんたみたいな医者にかかったら、治るもんも治らんわ」と啖呵を切って、病院を飛び出……すワケはなく、ただ心の中でそう毒づいた。そして帰宅後に、もうあの病院には行かないと言って夫と揉めたこともあった。
その医師が、その界隈ではアレルギー治療の権威と言われていたとしても、嫌なものは嫌である。

馬鹿なことを、と思わなくもないが、
「この人に会えるだけで元気になれる」というお医者さんを選んでいる。信じた人しか信じない、という偏屈人間だが、新興宗教にハマるよりはいささかマシではなかろうか。

一事が万事そんな感じだから、お医者さんに限らず、心を許せる人はほんの一握りである。誰にでも笑顔で話しかけるので、友達が多いと思われることもあるが、「心を許せる友達」は本当に少ない。でも、とても満足している。

私にとっての「心を許せる」人の条件は、
「心情を望む尺度の解像度で捉えてくれる」
「心から応援してくれる」
というところか。

めんどくさいヤツだと思うけれど、好きな相手には私もそうでありたいので、お互いそうなれたらいいなと思う。

ところで、一昨日に出版したKindle書籍「機能不全家族で育ったピエロにはACの父がおりまして~もう邪魔しないでよ、お父さん……~」を書きたいと思ったのは、1年前だった。

一冊書き終えたら、課題が解決できているような感覚で、また次の課題に挑戦したくなる」というようなことをおっしゃっていて、その言葉が深く刺さり、頭から離れなかった。

今年、私が直面した多くの課題。
さらに振り返れば、それらは、ここ数年の私の悩み、つまずきの原因とも深いところで繋がっているかもしれないことに、薄々気づき始めていた。

なんとしても解決したい。

「2023年、走って、止まって、寝っ転がって見えたもの。」より一部抜粋

今思えば、おおむねこのテーマで書くと1年前に決めていたにも関わらず、往生際悪く別のテーマにしようかと悩んだりもした。結局このテーマに戻って書くと決めたのは、今年の5月になってからだった。しかし体調不良でしばし中断し、それから創作大賞2024に注力し、再出発は8月末の夏休み明けとなった。

それでも、まだどこかに拒絶感があったのか、書きたいのに書き進まない。そうしてまた体調を崩したり、子どもが入院したりして、出鼻くじかれながらも、ゆっくりゆっくり書き進めていき、いったん全てを書き終えたのは、11月のはじめだった。ただ、内容は出来事の羅列のみで、とても人に読んでいただけるものではない、と思った。とはいえその羅列にすら、結構なエネルギーを使ったのに……

もうこれ以上引き延ばすことはできないと、そこからは集中して修正や加筆を何度も重ね、やっと、一昨日12/26に出版に至った。

当初の予定では3か月で書けると思っていた。しかし、半年、9か月、と延びていき、気づけば季節が一巡していた。

しかし、書き上げるまでの意識の変容に、これだけの時間が必要だったのだと、今感じている。

こんなどうしようもない私の、延ばし延ばしのシッチャカメッチャカ葛藤劇に、根気強く1年も付き合ってくれたのが、他でもない、かぜの帽子さん(以下、帽子さん)である。

Kindle出版サポートのサービスに1年前に申し込んでから、実施してもらったオンラインセッションは26回。深掘りをするためにいただいた課題は105個。やりとりしたメールは、400回を超える。その中には、創作大賞2024に応募した小説のサポートも含まれている。

毎回楽しみだったセッションでのやりとりや、課題の一つ一つにじっくりと思いを巡らせることで、凝り固まった自己否定が溶け始め、蓋をしていた思いがガタガタと外に出たがり始めるのを感じた。

1年前の私は、ずいぶんと自信がない発言をしていたし、やりたいのにひっこめようとしていたことがたくさんあった。

それが、どのタイミングで変わったんだろうかと不思議でならないのだが、ゆっくりと、しかし確実に、「大丈夫」「私にはできる」というセルフイメージに書き換わっていったように思う。
ごく表面的なことでは、「アトピーの持病がある」ということを臆せずnoteに書けるようになったのも、帽子さんとのやり取りが影響している。

これは、「他者へのいたわりの心」とか、「可能性への強い信念」とか、他にも分析しきれないほどの細かい成分が帽子さんに含まれているからと思うが、あえて属性に分けてみると、「福祉の精神」というジャンルの成分が帽子さんには多分に含まれているように思う。それはきっと私の中にもあって、そこに共鳴しているのも感じた。

にんじんのサラダにかけたドレッシングがすごくおいしくて、成分表を見てみたら、原材料ににんじんが入っていて「あぁ、道理で合うわけだ!」と納得する感覚に似ているなぁと思う。

自分でも何が含まれているのか認識すらできていなかったごく微量の成分にフォーカスし、それを可能性に引き上げてくれる強力なエネルギーを、静かで繊細な、そして人間心理の理解に傾倒されている帽子さんの中に、私は確かに感じ取った。

誰にも言いたくなかった心の闇にも、呆れたり、引いたりすることなく、信じられないほどの温かさを持って寄り添ってくれた。書く技術やKindle書籍販売のノウハウなどとはまた別次元の話であり、特にこの点においては、今回のkindle書籍出版のサポートは帽子さん以外には考えられない。

この1年で、私は「さらけ出す勇気」を「応援してもらう勇気」に変換していったようにも思う。そして、書くことが生きていくことそのものだという感覚も得た。

このままの熱量で、2025年も書き続けたい。

1月より入会しようと意気込んでいる帽子さんのメンバーシップ。
あと4日で終わってしまう2024年を惜しみつつ、2025年が待ち遠しい。


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Amazon売れ筋ランキング 恋愛・結婚・離婚部門の無料タイトルで現在2位となっています。お忙しい年の瀬に読んでくださり、心より感謝申し上げます。

忌憚ない評価とコメントもお待ちしております☆


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長橋 知子
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