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いきなり性教育。

おとといの夕飯前。
小1の次男が口にした疑問をきっかけに、小4の長男に、心の準備もないままに、性教育を始めることとなった。

「結婚しなくても、子どもは産まれるの?」

なんか、前にも訊かれた気がするが、「うん、産まれることもあるよ」とだけ返して、おしまいにしていた(雑)。

しかし、おとといは状況が違った。

長男が、

「精子があればね」

としたり顔で言ったためだ。

しりごみしている私に対して、長男は取り繕うように、
「このこと、なんか3学期に習うみたい」と言った。

そして続けて、

「でもさ、精子を卵子にどうやってくっつけるの?手術でどうにかするの?それしか考えられない」と畳みかけるような質問が。

性教育モラトリアム~いったいいつ始めるの~が、もう限界まできたのだと観念した。私は今、断崖にいる。もう飛び降りるしかないか。

「…手術でくっつけることもある。でもね、基本的な方法はそうではないんだ。・・・男の人と女の人が裸で抱き合うんだ」

「えっ!?!?!?!?」


長男は心底びっくりした顔をしていた。

ついに言った。まだサンタさんも信じてるし、まだまだ母親に甘えるスキを狙っている可愛い10才の坊やに向かって、私はついに言ってしまった!!!!!うわー良かったんだろうか・・・

その後は夕飯の支度に追われ、話の続きは、寝る支度の最中に再開した。

「ママはさ、じぃじ(私の父)に訊いたら、『お母さん―—あ、ばぁばのことね―—に訊きなさい』って言われたんだよね。小学5年生だったな。
『どうして私はお母さんから生まれたのに、お父さんにも似てるの?』ってじぃじに訊いたら、『お母さんに訊きなさい』で、ばぁばに訊いたら『お父さんに訊きなさい』で。たらいまわしにされたんよな。だから、ママは逃げねえぞ!」

私は思い出していた。

知りたいことをはぐらかされると、もっと知りたくなったあの頃のことを…。結局、そういうことに興味がありすぎておかしい子になってしまった自分を………笑

そして、小学5年生の性教育の授業で、
「どうやったら赤ちゃんができるのかを知っている人はいるか?」という先生の問いに、

「俺知ってる!一緒に寝るんだよ

と、爬虫類オタクで、横浜マリノスファンの男の子が発言したときの、衝撃を。

「一緒に寝る…?どういうこと…?」

Jリーグ開幕に日本中が湧き、ナタデココが大流行した平成5年(1993年)の出来事だ。
親がはぐらかしてひた隠しにする真実をついに知った私は、その後ずっと、その興味から逃れられなくなったんだよな。

回想にふけっている私をよそに、次男がとんでもないことを言い出した。

「ママの時代は、どうしたら赤ちゃんができるの?って、お父さんやお母さんに訊くしかなかったんだよね。でも今は、みんなネットで調べられるよね。じゃあネットもなくてお父さんお母さんも教えてくれない人はどうやってそのことを知ったの?ていうか、一番最初の人たちはどうしてわかったの?」

やべぇぇえぇ!!!小1にまでは聞かせるつもりなかったのに、ちゃんと聞いちゃってる上に、どぎつい問いを!!

「そんなこと考えたの?す、すごいな~ほんとだね、どうしてわかったんだろうね?!不思議だね!」

で、その日の授業は終了(雑)。

その後、歯磨きしている夫に、ことのあらましを報告しようと、
「男の人と女の人が裸で抱き合うんだよ、と長男に言ったわ…!」と伝えた瞬間、夫は、初めて女体を見た中坊のような顔をした。

「だから、長男に訊かれたら、ちゃんと逃げずに答えよう」と言ったところ、わかりました、と言いながらドギマギしているのが伝わってくる。そうか、この人は、ウブな人なんだった。


翌日、まだマイコプラズマ肺炎が治り切らず、学校を休んでいる長男と家に2人のときに、もう少し詳しく話した。

長男は野球速報やニュースをよく見ているので、

「そうだ、性犯罪で芸人さんがつかまったりもするでしょ。あれはさ、相手の女の人がそのつもりないのに、男の人が、自分だけがそうしたいからって、女の人に裸で抱きついたりすることなんだ。それは、本当にいけないことで、お互いが大好きで、そうしましょう、としない限りは、してはいけないことなんだよ。だから、結婚してなくても赤ちゃんができるっていうのは、そういうことなんだ」と伝える。

「…そういうことかぁ」と納得した様子の長男。どこまでわかってるんだろう。まぁ想像の域でも、とりあえず、いいか。

よし…今日のところはここまででとりあえずオッケーじゃないか?

どうしたら赤ちゃんができるかを知りたがる子どもたちだったが、自分と相手の心の話までをセットに…ここまでを男の子の親としては特に伝える義務があると思った。

よく考えてみると、プライベートゾーンの扱いについて、幼少期から少しずつ伝えるくらいのことはしていたんだった。

「いくらママでも、あんたたちのチ〇ポコやおまたを、洗ってやる以外で触ってはいけないんだ」とか、「赤ちゃんの種が入ってる大事な部分だから、人に簡単に見せたり触らせてはいけないよ」など、性教育の序章、みたいな部分には触れていた。

5年くらい前から、性教育アドバイザーの方のメルマガも登録して、たまに読んだりもしていたから、それを少しずつ子どもたちに試していたんだ。
(最初は何で知ったのか記憶がないが、広告か何かで知ったのか。看護師さんで、3人の娘さんがいて、性教育アドバイザーで、起業家としてもスゴイ、みたいな方)⇓

また、私は第三子を助産院で出産したのだが、そこでときどき、幼児~低学年向けの性教育の講座をしてくれたりするので、長男が小学2年生のときに、連れて行ったこともあった。

しかし、それっきりだった。
子どもたちの思春期が1日でも遅く来ますように。いつまでもあどけないカワイコちゃんたちでいてくれますように、と願って現実逃避して、何より性教育がめんどくさくて、先延ばしにしていた。

今、情報の海の上に子どもたちは頼りなく浮かんでいる。
ちょっとネットで何かを検索しただけで、卑猥な画像や動画、広告が出てきてしまう。学校任せにばかりもしていられず、一番身近な親が率先して教育に関わる覚悟が必要だよな…。

「あーしんどいな。あんたたちがいつまでも可愛いおちびちゃんでいてくれたらいいのに」

思わず本音を言うと、長男は、
「それは無理だよ。成長は止められないよ」
と真剣に言うので、笑ってしまった。




この記事を書こうと思いたったのは、タイムリーにちゃぼ姐さんがスタエフでしゃべっていたから。

ちゃぼ姐さんは、息子さんだけでなく、勤め先である放課後デイの子どもたちへの性教育についてもどうしたもんか、を話しているので、私みたいなこんな適当な話では済まされないだろう。

「お父さんにももっと積極的に関わってほしい」切実に私も願う。照れながらでもいいから、大人たちが真剣に子に伝えていく文化が必要だよな。

保護者の方、学校の先生方、子どもや教育に関わるいろんな方の意見を聞いてみたいです。
「長橋さん、それはいきなりマズかったんじゃ・・・」という忌憚ないコメントもお待ちしております。

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