大須シネマ『有難や節 あゝ有難や有難や』|街の雑多な雰囲気を生かした劇場づくり
◇大須シネマについて
今から6年前、中学時代の同級生から「大須に新しくミニシアターができる」と連絡があり、私は大須シネマの設立プレイベントに参加した。
プレゼンのメモが手元に残っていたが、「平成の初めに失われた『まちの映画文化』を平成の終わりに復活」というコンセプトが素晴らしいと思い、この後のクラウドファンディングにも参加した。
開館当初から午前中に名作映画枠として日活映画が上映されており、『嵐を呼ぶ男』や『太平洋ひとりぼっち』、『拳銃無頼帖 電光石火の男』など度々観に行っていた。また、当初は猫映画が多かった印象がある。
その後コロナ禍の休止を経て、最近はサメ映画やカルト映画といった他の映画館が取り上げないジャンルを特集してファンが集っている。自分は『ゴジばん』や『シェアの法則』舞台挨拶上映を観に行った。
また、大須シネマの運営元が印刷会社という事もあってか、入場チケットのデザインが凝っている。
ちょうど名刺サイズなので、100均で売っている名刺ホルダーに保管できる。映画を観た記念にコレクションしてもいいだろう。
◇吉永小百合さん特集
今年2024年9月、「吉永小百合さんの映画女優デビュー65周年・東海地方ロケ地の作品特集」が行われた。
今回の特集では、『有難や節 あゝ有難や有難や』のほかに『だれの椅子?』『恋のハイウェイ』も観賞した。その中でも『有難や節』は、CS放映で初めて観てからの大ファンで、グッズを集めていた。
吉永小百合さんの登場シーンは少ないものの豊川稲荷や岡崎城、西浦温泉が舞台であり、私の祖父から「映画の撮影で西浦に和田浩治が来た事がある」とも聞いていた。
今回は映画館で観られる貴重な機会として、自分も上映を盛り上げたいと思い、グッズ展示に協力させていただいた。
サメ映画やカルト映画、名作や今回のような東海地方ローカル映画特集、様々なジャンルを上映する大須シネマは、プレイベントで掲げた「大須の雑多な雰囲気を生かした劇場づくり」を今は実現しているように思う。
そして「平成の初めに失われた『まちの映画文化』を平成の終わりに復活」し、令和の時代にも大須の映画文化は続いている。大須シネマさんの今後に期待したい。