WHATEVER
Oasisの名曲「Whatever」。
冒頭の歌詞は出だしで歌っている部分だ。
折角なんで動画もつけてみました。
「Whatever」をつけようと動画をみてみたら、何と9400万再生されているではないかww
いやはや再結成効果もあるのかと思ったり。
その人気は衰え知らずですね。
話を歌詞に戻そう。
「Whatever」を聴き始めた時、歌詞にノックアウトされた記憶がある。
スゲエ肯定してくれるやん!!って。
美メロと相まって素晴らしいメッセージソングだと感じた。
特に冒頭で引用している歌詞。
「Whatever」の序盤で歌っている部分だ。
「オレは思いのままになれるんだ」
この自信。
曲の出だしで既に「Whatever」にハマってしまった。
彼らが歌うと、その自己肯定は間違いのないものなのだと感じた。
やっぱりOasisは良いな~。
そんなことを冒頭の歌詞で思ってた。
んでその歌詞に気になるフレーズが。
「その気になればブルースだって歌ってやる」
当時自分はブルースをそこまで熱心に聴いていなかったので、ブルースを歌うにはそれなりの気合みたいなものが必要なのかなと歌詞から感じた。
いや、まあ意味合いは違うと思われますがね。
何にせよその一節は妙に記憶に残った。
楽曲が発表されてからおよそ30年…。
その一節を思いだす出来事が2024年の今に起きた。
8月の後半に起きた衝撃的なニュース…
「Oasis再結成!」
そのニュースのインパクトの影になりがちだが、今年の3月に弟リアム・ギャラガーはとあるアーティストとコラボして作品を発表している。
その作品がくだんのフレーズを思い出させてくれるんです。
「LIAM GYALLAGER & JOHN SGUIRE」
思えば2024年はこの作品から一連の流れを楽しませてもらった気がする。
コラボ作発表。
ノエルフジロックヘッドライナー。
リアムデビューアルバム30周年ライブツアー。
Oasis再結成。
そんな感じか。
振り返ってみると凄い一年だったんだな…。
いや、まだ終わってないけど。
結果的にその怒涛の流れの始めの方になったコラボ作。
ジョン・スクワイア。
経歴はこちら
リアムやノエルに影響を与えたバンド「ストーン・ローゼス」のギタリストとして有名な人だ。
ストーン・ローゼスのファースト・アルバムのスポティファイもつけておきます。
ご興味あればご視聴下さいませ。
さて、ストーン・ローゼス自体は2枚のアルバムを残し、1996年に解散。
その後2011年に再結成が発表され、活動を再開する。
ちなみに2017年の公演を最後に再解散している。
ジョン自体は個人でバンド活動ていた時期があったり、美術家としても活動している。
ジョンとリアムの友好関係について。
1996年Oasisのネブワース公演にジョンは「Champagne Supernova」で客演したり、2022年のリアムのネブワース公演で同曲でプレイしたりしている。
推測するに仲が良く関係は良好なんでしょうね。
アルバムライナーノーツを参照して書くと、ジョンが複数の新曲を作っていることをリアムが知りオファーをかけたそうだ。
そこから本格的にアルバム制作にうつり、くだんのアルバム発表となったわけだ。
そのコラボレーション作に二人とも自信があったんでしょうね。
特にリアムからこんな声が聞こえてきそうだ…。
「そりゃあ俺と組めばファッ〇ン・グレートな作品になるに決まってんだろ。」
「分かるだろ? ジャガイモ君」←ジョンのことではないです。
興味のある方は「リアム ジャガイモ君」で検索すると出てくると思われます。
出てこなかったらご容赦を💦
ってな感じでイケる!!っみたいな感じだったんでしょうね。
そしてジョンはコラボにあたって二つ条件を出したそうで(ライナーノーツ参照)。
だそうだ。
①はまあそうだろうと思われる条件ともいえよう。
リアムは②について「歌詞が俺のことみたい」と思ったそうで、この二つの条件が良かったんでしょうね。
歌詞に関してはコラボすると決まってから書き始めたのだろうか。
それともリアムに新曲の存在を知られる前から書いていたのだろうか。
分からないが、事実が前者であるとすればリアムが歌うことを前提に書いたとも言える。
ジョンがイメージする楽曲のイメージと、リアムの存在感とヴォーカル。
加えてみずからのギタープレイと、演奏のケミストリーをどのような方向に持っていくか…。
歌詞を書く段階で曲全体の設計図みたいなものを考えていたんでしょうね。
いや、分かりませんし、事実が前者であるとすればの話だが。
ってな感じで2024年3月1日にコラボ作が発売された。
プロデューサーはリアムの復活劇を支えた立役者、グレッグ・カースティン(本作にはベースとキーボードに参加)
ドラムスにアトムス・フォー・ピースというスーパー・グループでドラムを叩いていたジョーイ・ワロンカーというアーティストが起用されている。
万全の布陣で作成された作品はリアムのヴォーカルと、ジョンのギター・プレイが良いあんばいに押し出している。
この配合が絶妙だと思う。
まあ、二人のコラボなんで当たり前って言ったらそうなんだが。
リアムが歌う。
後方でジョンのリズムギターが鳴る。
その音は他の楽器のパフォーマンスと良い具合に混ざりあっている。
リアムの声が止まる。
ジョンのリード・ギターが冴えわたる。
直線的なロックのフィーリングを感じる音使い。
少しの慈悲をあたえるかのような高音域のフレーズ。
空をみつめ、懐かしさを噛みしめているかのようなリヴァーブのかかったギター音。
かと思ったらもやを切り裂くかのようにしてスパッと入ってくる、押し出しの太いフレーズ。
凄いメリハリが効いている気がするんですね。
何となく。
そのギター・プレイも曲の一部として構成されているわけで。
このへんのバランス感覚がジョン本人のものでもあるんでしょうし、グレッグ・カースティンの差配でもあるんでしょうね。
それはリアムのヴォーカルにも言えるわけで。
いい意味でうまく楽曲の一部となっている気がする。
当然フロントマンとしての存在感を放ちつつも。
ソロでの活動で表現の幅をうまく広げてゆき、(3作目のC‘MON YOU KNOWで特に感じる。)若かったころの声とは違う魅力をはなっている現在のリアム。
その表現の幅を広げたことによって、今回のコラボ作は成立したとも言えるのではなかろうか。
アルバムからの先行シングルになった「JUST ANOTHER RAINBOW」
深いリヴァーブのような霞がかったギターリフから始まる一曲。
リアムの声もどこか遠くから聴こえてくるかのような、エコーがかった感じだ。
虹は晴れ雨のあとに出現する。
その霧がかった雰囲気は虹が現れる気象的なものを現しているのだろうか。
「いつもの虹にすぎないんだ」
そう言うように「虹」は特段珍しく、そして何かを象徴しているものではない。
リアムが遠くに投げかけるようにして歌う。
空を見つめるかのように。
やがて曲はリズム隊が加わり、本格的に展開していく。
ジョンのリズムギター。
そしてリードギター。
二つが冴えわたる。
やがて虹を超えてゆき
リアムの良い意味で力の抜けたヴォーカルが、その天地の空間の大きさを感じさせる。
そして虹は自らの向こうを超えていくのではなく、自らが行き、自分が超えていくものだと感じる一節もある。(感想は個人次第です)
その雨の雲を切り裂くかのようにして、ジョンのソロ・ギターが響きわたる。
バンド演奏とともに、ストップ&ゴーをし盛り上げてゆき、ブレーキをかけながらも雨雲からあふれ出る「虹」を呼びおこすかのようなキレのあるプレイだ。
この展開がすごいカッコイイですね。
やがてリアムは「虹がまたひとつ、俺の木に滴り落ちる」と曲を締めている。
大人で雄大なリアムの声。
そのスケールの大きさと、まるで虹が出てくるまでの天候を表現したかのようなバンド演奏。
すごい全てが良い感じで一体化してるんですよね。
「JUST ANOTHER RAINBOW」
アルバムの風通しの良さは、全編にわたって快活に響くジョンのギタープレイを聴いているだけでもうかがえる。
そして、アルバムに収録されている様々なタイプの曲…
UKの伝統を受け継いだような曲や、アメリカ西海岸を思わせるウエスト・コースト・ロックや、南部のフィーリングをたっぷりと味あわせてくれるスワンプやサザンロックテイストなものまで様々だ。
ジョンの音楽人としての足跡みたいなものも感じれますよね。
その土壌のうえにリアムは表現者として、しっかりと存在感を発揮している。
「俺はおもいのままになれるんだ」
そんな言葉がよみがえる。
「何ならブルースだって歌ってやるぜ」
実際にリアムはアルバム4曲目、「I`M A WHEEL」でブルース(正確に言うとブルース風)の曲を歌っている。
タメの効いたねちっこいギターリフが、まさしくブルージ―な雰囲気を出している。(ギターはストラト?)
曲間に挟んでくるジョンのちょっとしたフレーズが、良い感じにスパイスのように効いてますよね。
ちょっと音を切ってみたり。
プリングのようなものをしたり。
さっと流してみたり…
リアムの歌への力の入り加減も好きだ。
こうして聴いていると、「ブルース・ロック」というジャンルにもリアムの声はフィットするのではないかと思ったりする。
まあこの曲を聴いて、「Whatever」の一節を思いだしたんですよね。
何か良い感じだなと。
8曲目の南部の香りがするロック・チューン「YOU‘RE NOT THE ONLY ONE」。
出だしの多分グレッグが弾いていると思われるピアノの連弾が、古き良きロック・ナンバーを思わせますよね。
ドラムスも力強くて、うまく周りを盛り上げてますよね。
特に「ドシッドシッ!」と鳴るスネアや、「バーンッ!」とくるシンバルの音とかがうまくロッキンにしていると感じる。
ジョンのバッキングも太く、力強く聴こえ、かと思えばリアムの歌声はどこか軽やかさを感じさせ、その辺のバランス感覚が絶妙な一曲だ。
途中のジョンのギターソロで、ジョンのいきみ顔が見えそうな高音域のフレーズが耳に残ります。
っというわけで両雄のコラボアルバムを自分なりに振り返ってみました。
いや、マジで二人の良い所が良い具合に出ててそれが絶妙な配合を感じさせてくれるアルバムなんですよね。
その二人の良いとこどりをしたような2曲目の「MARS TO LIVERPOOL」とか最高なんすよね。
ジョンのストレートでありながらも空間を闊歩するかのようなギタープレイとか、リアムのロック・チューンとの相性抜群のヴォーカルとか。
何よりPVが感涙ものですし(笑)
ええ、何とも興味のつきないアルバムです。
そして何となく「Whatever」の一節を思いだしたリアムの歌いっぷり。
また二人のコラボがあれば見たいなとか思ってたら入ってきた「Oasis再結成」のニュース。
いや、嬉しいがコラボ作どころじゃないかなと思ったり。
なのでここはいっちょ振り返っておかねば…。
そんな感じです。
最高の一枚。
秋の夜長にいかがでしょう?
なんちゃって。
記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!
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