60年代、流行った洋楽。4〈ナンシー・シナトラ〉
『70年代、流行った洋楽』の60年代版です。
60年代の初頭は、私自身がまだ少年時代。音楽に目覚める以前のことでした。そのうち、ラジオのAM放送やテレビなどから流れる音楽に意識が向くようになりました。そんななか、記憶に残る曲にもめぐり逢いました。今、あらためてYou Tubeで聴くと思い出がよみがえるだけでなく、半世紀よりもさらに前の曲とは思えない新鮮さと輝きにおどろきます。
60年代にはこんなことがありました。
ナンシー・シナトラはあのフランク・シナトラの娘さんです。前回も書きましたが、親の七光りが、歌手としてキャリアを積んでいくにあたっては必ずしもプラスばかりではなくて、生半可の努力では認められなかったことでしょう。それを見事にはねのけて一流の歌手として名を成しました。
自然体だけど、おしゃれでキュートで、そこにお色気の粉をまぶしたような彼女の歌唱が好きです。
レモンのキッス/ナンシー・シナトラ
Like I Do/Nancy Sinatra(1962年)
夢見る少女の恋の物語という感じの、エレガントでキュートな曲でいい~曲ですね。ところが、本国のアメリカでよりも、このニッポンでヒットしたなんて。この国も捨てたもんじゃないってことですよね。邦題もいいです。
ザ・ピーナッツ(あ~、なつかしい)が歌ってヒットしたんでした。当時の彼女のすがたには「となりのおねえさん」ふうな親しみを感じますね。
続いては……、ザ・ピーナッツも含めた数え切れないカバーのなかで、この3人のビデオはいかがでしょうか。アイドルでありながら実力派といわれた彼女たちの歌唱、お楽しみください。
レモンのキッス/早見優 荻野目洋子 西田ひかる(1999年)
悲惨な戦争/ナンシー・シナトラ
Cruel War/Nancy Sinatra(1966年)
ビデオに写っているのはLPレコードのアルバムですが、小遣いで私が買ったのはシングルレコードです。何度も繰り返し聴いたことを思い出します。
印象的なハーモニカの序奏で始まる曲で、ナンシーの歌唱も落ち着いて、しずかだけれども、語り掛けるように切々と歌い上げます。
イン・マイ・ルーム/ナンシー・シナトラ
In My Room/Nancy Sinatra(1966年)
ウォーカー・ブラザーズの楽曲のカバー。フランスの歌手ダリダもカバーしたそうです。バッハのオルガン曲で始まって、語り紡ぎ出すように歌い上げていく、シリアスな雰囲気が感じられる曲調です。今聴くと、編曲にも凝った印象が感じられていい曲だなあ、名曲だなあとしみじみ思います。
孤独の太陽/ザ・ウォーカー・ブラザーズ
In My Room/The Walker Brothers(1966年)
シュガー・タウンは恋の街/ナンシー・シナトラ
Sugar Town/Nancy Sinatra(1966年)
オリジナル曲に戻ります。月並みな言い方かもしれませんが、理屈なしに楽しめるこんな曲っていいですね。途中、チェンバロの伴奏も聞こえて、この辺が凝ったアレンジでいい~感じです。少女から女性へと成長、変化していく彼女のすがたも印象的です。
彼女との何気ない散歩やカフェでするおしゃべりも、まるでさとうでできた街で遊ぶ夢のような甘ーいイメージを思い浮かべます。そんな恋の街があったら行ってみた~い。
サマーワイン/ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウッド
Summer Wine/Nancy Sinatra & Lee Hazlewood(1967年)
この曲も流行りました。007シリーズを思い起こさせるミステリアスな雰囲気を感じます。リー・ヘイズルウッドとのデュエット曲です。交互に語るようにていねいに歌い上げる歌唱なのですが、内容は「小娘」が「大の男」を手玉に取る悪女物語、それが一種の爽快感を醸します。
にくい貴方/ナンシー・シナトラ
These Boots Are Made For Walkin/Nancy Sinatra(1965年)
ブーツは履いて歩くためのもの。それは当たり前、なんですけど。でも、不実な男には、蹴ったり踏みつけたりするための凶器にも早変わり。
とがったヒールで思いっきり踏みつけられたら、ただでは済みません、よね。でも、フトモモ露わなブーツ姿でなら、そうされてみたいかも⁈というのは男心の複雑さかも。時には、ちょいワルを演じてみせたりして……。でも、かる~くつつくだけにしてちょうだいね。
※素晴木あい subarasikiai さんの画像をお借りしました。
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