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母の必殺、不機嫌コントロール
家のテレビルールは、厳格でした。まず、基本的にNHKの子供番組しか見てはいけない。「おじゃる丸」と「忍たま乱太郎」を観たらその日のテレビ鑑賞は終了です。
大晦日は子ども向けアニメのスペシャル番組や、紅白歌合戦など特別番組が多く、そちらを見るならいつも観るテレビはナシ。特別番組をみても、時間でしっかり区切られてしまいます。そして、3歳離れてる弟たちは基本的に観たい番組は同じ。大抵、私よりも子供向けの番組をみたがるので、母も弟たちを味方して私が観たいテレビはいつも見ることができませんでした。
大晦日くらい、遅くまで起きているなんてことをしてみたいなあと思っていました。しかし、いつどんな時でも午後9時には必ず就寝。私の年齢が上がろうと、常に弟とセットで私は言いなりになるしかありませんでした。さっさと寝かしたいくらい、私たちのことが邪魔なのかなとも本気で思ったこともありました。(子供には自室が与えられず、居間に子供がいると大人が好きなことができなかったというのもあるのでしょう)
どうしてあれもこれもダメなのか。「どうしてダメなの?」と、私は果敢にも母に聞いたことがありました。それも母の機嫌がマシなときを見計らって。返ってくる答えは大抵あまり納得できず、反論しても「ダメなものはダメ」に切り替えられて機嫌もどんどん悪くなり。私は、いつしか我慢するのが手っ取り早いと諦めるようになりました。機嫌が悪くなった母のご機嫌取りはしんどいのでそう学びました。
機嫌を悪くすることで、思い通りにコントロールするのは、母の得意技でした。機嫌を少し損ねるだけで子供はびびって言うことを聞くようになる。そういう意味では私は育てやすい子供だったのではと思うのですが、母は祖父母に愚痴をこぼしてばかりでした。毎日が息苦しくて堪りませんでした。それなのに、私も元夫に不機嫌でコントロールしていたことがあったと気付いて消えたくなりました。
せめて「ダメ」な理由をきちんと説明してくれたら良かったのに。私の気持ちや考えを門前払いせずにきちんと聞いてくれたら救われたのに。
もしかしたら母も、子供の頃、自分の「こうしたい」を親に伝えられなかったのかもしれない。子供の頃に叶えられなかった燻ってる思いは、いつか大人になった時に「絶対こうすべき」に代わって現れてしまうのでしょう。
私は大切なひとをもう傷つけたりしたくない。母と同じになることは嫌だし、これが連鎖ならば私で断ち切りたい。
私の思いを否定せずに聞くだけ聞いてほしかった。母に聞いてもらえなかった声に、大人になった私が耳を傾けてあげたら、きっと子供の私はそれが今であっても救われるはずなんだと思います。