加害者より警察・検察・会社に腹が立った件

サカタのタネグループの種苗生産会社でアルバイトをした時の話。

日中社長が仕事終わりに話があると上司から通達あり、行くと開口一番「法に触れるようなことした?」「何の話ですか」「安孫子さんがマックスバリュー山形駅西口店の食品売り場で店の人に注意されてその場に警察が呼ばれたところを見た人がいるんです。法に触れるようなことをする人を置いておけないので」

身に覚えがないことを伝えて、一緒に店に行って確認することを提案したら、めんどくさがって信じるみたいなことを言われたが、根拠なく信じられても意味がなく、誰が疑いを晴らしてくれるわけではないので、一人で、万引きしていないことの確認書を持って行って署名してもらった(かなり迷惑がられて、社判は押せないとかあとで警察が来るとかないようにしてくれとか言われた。客商売だしこういうときはお互いさまじゃないかな)のだが、聞くと(勤め始めの時期等考慮の上)ここ一か月間の万引きは女性によるものが一件だけで男性による万引きその他のトラブルはなかったとのこと。

話にリアリティーがなく、でっち上げの可能性が高いので、「店員の服装は制服か私服か」「警察が来てその後どうなったか」等の質問状を例の確認書とともに社長に渡しながら、言った本人に謝罪するよう求めたところ、「こういう時のコンプライアンスマニュアルがあるので一任してください」と言われた。「一任してください」って言い換えたら「つべこべ言うな。全部こっちでやる」ってことで有無を言わせぬ感半端なかった。

で、社長が加害者と面談した結果「食品売り場じゃなくて駐車場。食品売り場とは言ってない。『食品を持って』と言った(通常店内で検挙されることはないから変えたのだろう)」とか「警備員を警察と見間違えたかも」とか内容が変わっただけででっち上げを認めないので、本人に会わせるよう再度要求したが拒否られた。警察の調べであとでわかったことだが、社長は面談自体しておらず、回答は社長の作り話だった。あるいは穿った見方をすれば、言うことが変わるとでっち上げの可能性が高くなり、悪質性が高まって、起訴しなきゃならなくなるから、面談していないことにした可能性もなきにしもあらず。いずれにしてもコンプライアンスを口にする者ほどコンプライアンス精神のかけらも持っていないことは確か。勤務時間外に取り調べまがいのことをしておいて一切謝罪がなかった。

埒が明かないので告訴することにしたのだが、やり方を検索すると、予想通り警察の水際対策への批判であふれていた。そして予想通りの水際対応だった。担当したのは山形警察署 刑事第一課強行・特殊犯係長 警部補(当時) 山田 義敬氏で、まず告訴状を読んだら負けみたいに読もうとせず口頭での説明を要求してきたのだが、途中で「えっ万引きしたんですか」とか口を挟んできて話が進まないので「読んだ方が早いので読んでください」と言われてやっとしぶしぶ読み始めた感じ。そして読み終わると「こんなの名誉毀損って言ったら日本中名誉毀損だらけになる」と暴言。違うよね。「こうこうこういう理由で名誉毀損にならない」って説明しないと。「こんなの名誉毀損って言ったら日本中名誉毀損だらけになるから名誉毀損にならない」ってことかな。

で、「民事でやったらいいんじゃないですか」…「それでどうしたいんですか」「起訴してもらって裁判…」「裁判!?ほー!?」「そんなにおかしなことを言ってますか」といったやり取りの後、捜査権がない人間に「どこで言ったとか状況がわかったら受理するかも」みたいなことを言うので、こりゃだめだと思い、検察に行くと、なんか担当した山形地方検察庁 検察官事務取扱副検事(当時) 舩山 雄司氏は山田氏と知り合いとかで嫌な予感がし、的中した。受理させる方向になったのはいいとして、「社長は被疑者の名前を言わないかもしれない」とやたらに言うので、「犯人隠避にならないのか」と聞くと、「何もしてない人を引っ張って来られるわけないでしょう」とぶち切れられた。違うよね。「こうこうこういう理由で犯人隠避にならない」って説明しないと。一般人がちょっと専門的なことを言うと激昂する専門家っているけどまさにそのタイプ。未必の故意とか言ってたらぶん殴られてたかも。いずれにしても警察も検察も基本がなっていないにもほどがある。

で、いやな予感がして「何回も書き直しさせられることがないようにお願いします」と言うと、「弁護士を頼まないんだからしょうがない」とまた暴言。

で、結局山田氏から6回も書き直しをさせられた。その場で訂正して訂正印を押せばいいようなものまでお持ち帰りさせられた。「厳重な捜査なんて言葉はない」とか言われたが、厳重って「きびしく事に当たるさま」だから「厳重な捜査」は間違いじゃないっつーの。そもそも告訴は口頭でも可能で、被疑者を即有罪にするものでもなく、捜査を始めるためだけのものなんだから、そこまで細かい校正校閲は必要ないと思うんだけど。共産党がマンションでビラ配りして不法侵入で有罪になった事件では「被害者」が署名捺印すればいいだけの告訴状をいそいそと持って行ったらしいけどこの差は何なんだ。「こんなの不法侵入って言ったら日本中不法侵入だらけになる」って言えよ。

そんなこんなで出た結論は「被疑者は、店内で告訴人に似た人物がポケットに何かを入れるのを見て動転してパートA・Bに相談しただけで口止めもしており噂を広める意図はなかった。言論の自由もあるし」という驚くべきものだった。これが有名な「検察のストーリー」ってやつか。

この会社の従業員は50人以上いて、仕事は主にキュウリやトマトの苗の接ぎ木と出荷で、朝に作業割り当て表が貼り出されるのだが、A・Bはだいたい私と同じ出荷担当で、名前と顔を知っていたが、被疑者については接ぎ木担当なのか名前を聞いてもまったくわからなかった。

被疑者は20代、Aは60代のベテラン、Bは30代で、私の見立ては、職場のボス的存在(特に悪い意味はないがリーダーというよりボス)のA・Bに面白い話をして取り入る目的で言ったのではないかというものだったのだが。

「店員」と「警察」という語句があったから無実とでっち上げを証明できたのに、それらはどこにいったのか。「告訴人に似た人物」が私ではない証明は不可能で、「告訴人がポケットに何かを入れるのを見た」と言ってるも同然なんだけど。被疑者→A・B→社長→私の順において、実質一人しか挟んでいないのに「警察沙汰になった」なんて尾ひれがつくか?A・Bか社長のどちらかが、「聞いた内容は『告訴人がポケットに何かを入れるのを見た』で、『店員』と『警察』は私が付け足しました」と言ったのか?事件において何が重要かがわからないのかそれともわかっていて事実を捻じ曲げたのか。

いずれにしても被疑者は、職場の2人の人間に、告訴人が万引きしたと言ったことは認めてるわけで、「ここだけの話。誰にも言わないでね」と口止めして「相談」すれば名誉毀損にならないってそんなばかな。こういう結果になったのは警察検察にとって告訴人はお上の手を煩わせる不届き者で、告訴人以外全員利害が一致してるからなんだろうけど。被害者が泣き寝入りすればすべて丸く収まる典型的パターン。

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