電動車椅子でGO!(9)エレベーター

 車椅子にとってエレべーターは命だ。駅ではエレべーターで移動できる経路が最低一本は確保されている必要がある。ただ、それだけではあまりにも遠回りになる場合もある。 また地下鉄のエレべーターで地上に出られることで足れりとして、私鉄の方はエレべーターなしで済ませているターミナルもある。そこもとても遠回りになる。バギーや大きいトランクの方も同じではないかと思う。
 ところで、エレべーターを降りるとき、気を利かせて「開」ボタンを押しておいてくださる方がいる。
 お気持ちはありがたいのだが、その方が入り口を塞いでしまって降りにくいことがある。最寄りの駅など、「開」の時間を把握している所では、さっと遠ざかって出口を広くしてくれた方がスム ーズなので「先に行ってください」 と声をかける。 「開」時間の短いエレべーターの場合でも、先に外へ出て、出口を広くしてから、外にある「開」ボタンを押してくださるのが実は大変ありがたい。
 エレべーターはあればいいというわけではない。
 横長のエレべーターは、まっすぐ入れないので何度も切り返し、閉りかけるドアに頭をぶつけ、バックし、 やっと入れる。エレべーターまでのアプローチに段があれば、もう台無しである。段を上るために通りががりの人に手伝ってもらうしかない。
 実際の車椅子目線がもっともっと、 活かされることを願うゆえんである。

いいなと思ったら応援しよう!

長澤靖浩
もしも心動かされた作品があればサポートをよろしくお願いいたします。いただいたサポートは紙の本の出版、その他の表現活動に有効に活かしていきたいと考えています。