マガジンのカバー画像

詩宇宙

277
私の詩および超訳詩です。
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

ひみつ くるう

 ひみつがいっぱいなのだ。  僕のひみつ、きみのひみつ、あの人のひみつ。  誰にも言わな…

長澤靖浩
5年前
9

祝祭

 ひさしぶりにオリジナル曲などの入った袋をひっくり返したら、昔つくった歌が出てきた。忘れ…

長澤靖浩
5年前
6

発句

神の手の技の光るや朝の薔薇 神の翳芝生に走る雲の影 ナメクジや行方知らずの銀の道

長澤靖浩
5年前
5

処女航海

僕の三日月が君の水平線に まだ一度も没したことのなかったとき 僕は人魚に誘われて見知らぬ海…

長澤靖浩
5年前
8

女神にロケット

いつだって君は ダンスフロアの女神 無防備に輝く瞳 ゆるんだ唇 世界を潤す はじけた愛の…

長澤靖浩
5年前
5

臨在

目の奥が痛くなる どこまでも深い暗黒の宇宙に 青い地球が浮かんでいる 宇宙遊泳するぼくを…

長澤靖浩
5年前
4

さっちゃんはね

さっちゃんはね 電気に似ている ほんとはね さっちゃんの 熱い吐息がうなじにかかると 体じゅうの細胞のひとつひとつが 細かくふるえだし さざ波が駆けめぐる さっちゃんの短い髪の毛が蛍光を発する さっちゃんの光る体が 太陽の熱で僕をいだきかえす 熱量をもったエネルギーが昂まり 蓄積されてくると ものみな輝きはじめる 道ばたの一木一草 子犬 小川 山の稜線 空 みな透明に耀いて 光に満ちあふれる ああ お腹の中に 太陽を孕んでいるようだ

本日の発句

日焼け妻水着の跡に惚れ直す 倶胝竪指蜻蛉止まりて空青し

長澤靖浩
5年前
5

本日の一句

スマホから顔を上げれば不思議雲

長澤靖浩
5年前
6

獣は独りで死んでいく

獣は独りで死んでいく 老いを迎え いよいよ死期を悟ると 猫は姿を消し 四次元の扉の向こうに …

長澤靖浩
5年前
5