テレワークで生産性は上がる
本日はこちら。
生産性は上がる
生産性=「①業務時間」×「②業務効率」
一旦、このように仮定したとします。
家と会社の往復が片道1時間だとします。例えば、8時に家を出て、9時に会社に着いて業務を開始する。18時に会社を出て、19時に家に帰り着く。しかしテレワークなら8時から仕事を開始でき、19時まで仕事ができます。
つまり、最初の式で言えば「①業務時間」が1日2時間増えるということです。
極めて明朗な回答だと思っています。
テレワークは、1日の生産性が2時間改善します。
どれだけ「②業務効率」の改善化案を検討したとしても、「1日2時間分相当の業務時間の捻出」効果を生み出すのは、相当な難易度でしょう。それくらい、決定的に自宅で仕事ができることは生産性が高いと思います。
高飛車なおやじ達
しかし、世のおやじ達の多くは、テレワークを嫌がります。
関係者に、そして自分自身に、業務の効率化をずっと求めてきたはずでした。時に冷徹なまでにコストカットを行い、人を切り、部下に仕事を詰め込み、自分も限界ギリギリまで働き、企画書には、費用対効果の計算結果を並べてきました。
しかし、おやじ達はテレワークに歓喜しませんでした。上述の通り、極めてシンプルな計算式で明らかな生産性向上を謳えるはずなのに。これほど簡単な公式で費用対効果を企画書に盛り込めるのに、彼らの結構な割合が、拒否感を示しているわけです。
突然「コミュニケーションが取りづらくなった」などと言い出し始めています。
私はこれは正確な本音ではないと思っています。本音は「俺からコミュニケーションを取りに行かないといけなくなった。下手すると部下にお願いして教えてもらわないと、情報が入って来なくなったので、毎回毎回プライドが傷つく、それがしんどい。俺、上司だよ。上司じゃない場合もあるけど、少なくとも大先輩よ。周りが報告してきて、周りが相談してきて、周りが俺に配慮して、なんとか俺に気に入られようとお前らが揉み手をしてさ、最後に俺が『しょうがねぇ、お前がそこまで言うならやらしてやるよ』って事が運ぶのが、本来のスジじゃね?」だと思っています。
生産性を向上させたいのなら、こうしたプライドは捨てるべきでしょう。
広義の生産性とは「個性の発揮」
上記のようにおやじ達に「まずお前らがプライド捨てろ」と吐き捨てるのはあまりにも冷たい仕打ちでしょうか?こうした良心がより前向きな議論を進めてくれるような気がします。
今時の言葉言えば、D&Iやウエルビーイングなのでしょう。おやじ達の幸福論と若手や女性の幸福論は違うのです。その違いは認めるしかありません。
というか違いが認め合えれば最高ですよね。世代や性で断絶が生まれて終わりにするべきではないと思います。何より、共通の敵、共通の問題は同じなのですから、共にその問題を撃退すれば良いのです。
おやじ達は「費用対効果」の理論を一旦やめるべきです。
おやじ達の幸福論にも、若手や女性の幸福論にも、ゆきすぎた費用対効果の追求は、もはや足枷なのです。その呪縛にハマって30年です。そろそろおやじ達は気づかないといけないのです、費用対効果の追求だけでは成果が出ないことを。
費用対効果そのものを否定するわけではありません、事業をする以上、投資をし、それを回収できなければ破綻します。しかし、あまりにも費用対効果だけを追求した結果が、今です。そろそろ窮屈なやり方から解放されるべきです。
生産性は上がったのか
私自身はテレワークで生産性が上がったのか?と聞かれれば、生産性はとてもとても上がりました、と答えます。狭義の意味である、効率性としての生産性も、個性の発揮、自分らしく生きていくという広義の意味での生産性も上がっています。
まず、先週末は子供と夕方に雪合戦をしました。
会社の仕事が終わったら保育園に子供を迎えに行くのが、私の「仕事」です。コロナ禍の方が人生が長い息子達に、外での貴重な思い出を一つ追加できたと思っています。
18時に仕事を終えて、会社を出て、19時に子供を迎えに行っていたら、さすがに雪合戦をする余裕はなかったかもしれません。
さて、上記は副次的な話(でもとても大事な要素だと思っています)かもしれませんので、もう少し生産性向上の要因を考えたいと思います。
なぜ、生産性が上がったと言えるかといえば、その要因は、「言語化」です。
言語化できないと生産性は上がらない
困っていると発言するのと、困った顔をすること。この2つの違いです。どちらが早く困っていることを伝えられるでしょうか?もちろん「困った顔をする」ことです。ですので、言語化にはもう一つの対立軸を認識する必要があります。
チャットが1秒でできるか、10秒でできるか。この2つの違いです。言語化の方が時間がかかる以上、言語化できる時間が短くないと、生産性が上がりません。
言語化には、明確にできる、というメリットがあります。
困った顔は、困っていることが相手に伝わる確証はありません。しかし、困っている、と言う言葉が相手に伝わらない可能性は、まずないです(伝わらないのは、往々にして、なぜ困っているのか?や何に困っているのか?です)。
つまり、高速で正確に言語化できることが、テレワークでの生産性向上に必要な要因、というか、成功の条件になります。
で、そんな研ぎ澄まされた言語化、いつもいつもできないでしょ、と言う話になるわけですが、ここがテレワークの好循環スパイラルです。
テレワークは自宅で一人でやることが多い訳ですが、作業に集中できる、と言うメリットがあります。これこそが深い洞察を行うには、優れています。つまり、ある事象に対して、より正確に言葉を充てていく時間を生み出せるのです。
チャットだってそうです、限られた情報を受け取って、その中でどのように相手に返信するのか、最初のうちは、悩みに悩んでみたら良いと思います。
これはどういう意味なんだろう?怒ってるのかな?なんて聞き返したら良いだろう?聞きたいこと全部書いたら、すごい長い文章になったけど、文量減らした方が良いのかな?
最初は煩わしいかもしれませんが、こうしたことを続けたら言語化が洗練されていきます。
洗練されていけば、好循環です。より正確により高速に、そしてより深く、事象を捉えたり、人との意思疎通も行えるようになります。
ということで、また。