シアスター・ゲイツ展 -01 何によって揺さぶられているのか
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝 2024.4.24(水)~ 9.1(日)
民藝、は関連本を数冊読んだことがあるだけで(理解はしていないと思う)まったく詳しくもないし興味も……と思いながら、シアスター・ゲイツ展にすっかり嵌った。
封切翌日の4/25にはアーティストトークにも参加し、作家本人から作品について伺う機会も得た(ゲイツさんはとてもパワフルかつチャーミング)。
すでに5回は鑑賞し、作品世界と展覧会の構成に、ぐいぐい惹きこまれている。写真もたくさん撮ったのだけど、何をどう書き残しておくべきかが、なかなかまとまらなかった。
シンプルに、写真を多めに、記録しておきたいと思う。
アフロ民藝って?
まず、耳慣れない「アフロ民藝」とは。
展示を観ればなにか(つながりを)感じる、それでいいと個人的には思うのだけど、言葉にするとこうなるようだ。
神聖な空間
下のフロアガイドは、六本木ヒルズ森タワーの断面図。順路は、画面左下の「IN」から右回りに進み、「OUT」から出る。
はじめの小部屋と、そこからつながる大きな展示室は、1つの空間として、インスタレーション的に使われていた。
大きな展示室の床には、
ふしぎな煉瓦のようなものが、きれいに敷き詰められている。
常滑焼といえば、有名なのはこの急須だろう。そしてシアスター・ゲイツと常滑市は、深い深い結びつきがある。それも、展示を観ていくうちに明かされる。
改めて、本展の魅力をはじめに俯瞰しておけば、下のようになる。
ヘブンリー・コード
展示に戻り、音のインスタレーションといえば、本作。
スピーカーから、まるで振動のように、ハモンドオルガンからの低い音が鳴り響いている。ライヴイベントも開催されており、たまたま、ヴォーカルを含めた音のパフォーマンスも鑑賞できたこともあった(パフォーマンスは撮影不可)。
ブラック・ライブラリー
本展に何度も足を運んでしまう理由のひとつが、このライブラリー&スペース。
本は、自由に閲覧できる。
この長椅子の座り心地は、格別だ。
振り返ると、さきほどの展示室。
ブラック・スペース
スペースのほうは、窓のある明るい空間だ。
こちらにも、貴重な出版物を手に取ってくつろぐことのできる長椅子のセットがあり、
壁には、ゲイツが手掛けてきたプロジェクトの成果が展示されていた。
入口には、アート作品が展示されており、それが消防車のホースらしいと気が付き、
説明を読んで、消防ホースに込められた意味を知った。
廃墟に響くアカペラ
力強い歌声が、展示室の外にまで聞こえてくる。
取り壊された教会、廃墟。その取り壊しを象徴するかのような、外された扉を床に打ち付けるパフォーマンス、そして別れを惜しむようなアカペラの歌声。
破壊された教会の細部が映し出され、歌声がそこにかぶさる。
揺さぶられ続ける
決して、観ていて気持ちが沈むようなものではないのだけど、訪ねるといつも、自分の奥底が、揺さぶられるのを感じずにはいられない。
それが民藝ということなのかもしれないけれど、正直なところ、今まで民藝というジャンルには、正直、あまりピンとこなかった。自分のなかに入ってこない、理由があったのだと思う。
あと2回ほど、紹介を続けていきたい。
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