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ラプソディ イン イエロー (CarGraphicTVの感想 STRATOS, 73CarreraRS, Dino246GT)


2021年に公開していた記事です。有料記事にて公開しておりましたが、今回その内容を見直し無料記事へ移動させました。(2023年5月4日)


お目にかかったことはありませんが、カーグラフィックの創刊から長く日本の自動車評論家界を高尚なものに押し上げることに貢献された今は亡き小林彰太郎氏がネーミングしたこのタイトルは、カーグラフィックTVとカーグラフィック本誌で特集した、フェラーリディーノ、73ポルシェ911カレラRS、ランチアストラトスの特集に集まった3台が3台とも黄色い車輌だったことにちなんだものでした。

おそらくはガーシュウィンのラプソディインブルーから捻られたので有りましょうが、なるほど同じ時代の同じ黄色い車輌であっても、3車3様それぞれに際立つ個性を発揮しつつも、どこか同種のまとまりを感じることを上手く表しているように思います。

あえて野暮な推測を自分なりにすると、ディーノとストラトスは同じ2.4L V6エンジンユニットを使っていながらかたやその後308、328、348、360、430、488などへ続く12気筒に対するスモールフェラーリの起点となったロードゴーイングカーではあるが、そのボディワークはそれまでの60年代的アルミの手叩き時代から続く滑らかかつ抑揚の効いた美しいフォルムのディーノ。

ご存知のとおりピニンファリーナの製作したボディの206はアルミボディから始まり、246ではスチールボディになっています。

あまり知られていませんが、ディーノ206のチーフ・スタイリストを務めたカー・デザイナーのアルド・ブロヴァローネ氏はチシタリアでデザイナーをしていた後、ピニンファリーナに移籍してすぐにマセラティA6GCSクーペを図面からロードカーへと起こしているとのこと。


ストラトスはランチアが未来から来たようなウェッジシェイプストラトスゼロのショーモデルのイメージをしっかりと持ちながら現実の世界しかもWRCで3年連続コンストラクターズタイトルをランチアにもたらしたベルトーネ時代のマルチェロガンディーニのデザイン。

そして73年のポルシェ911カレラRSはFIAグループ4GTエントリーのホモロゲーション取得の為に500台以上製作されたレースに勝つための特別なモデル。特徴的なダックテールスポイラーをリアに供え、今でも911の中で最も憧れとされる人が多いであろうナローボディのそれまでの2.4L水平対抗6気筒をニカジルメッキで補強して2.7Lに排気量を上げています。

世界一美しいと言われるフェラーリディーノ、WRCやFIAのレースで勝つために産まれてきたストラトスと73カレラRSその3台は3様でありながらも、12気筒の最大排気量ではないエンジンでまさにラプソディ「狂詩曲」を奏でていたカーグラフィックのこの回は私の宝物のひとつです。

なんかちょっと手に入れるならどれかみたいな発言をされた田辺憲一氏に対し、「夢は夢のままで憧れとしておくのが良い」という松任谷正隆氏の主張をされていたように感じ、松任谷さんなら3台とも買ってもおつりがくるだろうになんというロマンチストなのだろうと思ったことが印象に残っています。

エンスー車を含め数多くのクルマに乗ってきた方の発言としてなんとも謙虚なことでしょう。

少年時代憧れていた大排気量は無理だろうからと中型350ccのバイクでいいかななどという考えでいました。
大人になってその350ccの中型バイクを手に入れました。
その時はその350ccでいいかなが夢だったと勘違いしていました。
乗ってしばらく経って無性に当初の憧れだった大型に乗るべく大型免許を取得、夢だった大型に乗り出したらこれまたちょっと自分に合わないことに気付いてしまった。
そこで、あまたのバイクたちをとっかえひっかえするうちに何が自分に合っていたのか分からなくなりました。
最後に残ったのは2ストベスパと最初に憧れていたバイクメーカーの不人気車。乗り継いだ最後に出会ったこの一台は自分にとても合っていました。

自分に合っているバイクというのは、乗った瞬間に「あっコレだ!」としっくりくる感じで良く分かります。

しかし、これから先の時代はEVなど環境負荷の低い乗り物が善になります。多気筒大排気量車など悪そのもの。時代の要請に素直になるならば、全てEVになっていてもおかしくないのに、フェラーリ、アストンマーチン、マクラーレン、マセラティ、ベントレー等の大排気量車、実によく売れてます。

もし、ポルシェ911がEVになる日が来たらその時が時代の変わり目かもしれませんね。

ただ、最近めっきりクルマやバイクに乗る回数が減ってしまったんですよね。自転車バンザイです。

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アラン藤島
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