見出し画像

感想など'99 Maserati 3200GT

九州から2日かけて東京まで1,000キロ程ほぼ高速道路を自走して帰ってきました

色々言いたいことはありますが、純粋に3200GTの本来持っている資質に着目し、25年前のクルマを手にしたアランの第一印象を記録しておきます

3200GTのスペック

以下のGooさんのサイトとwikiから引用しました

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マセラティ・3200GT


Maserati 3200GT

販売期間 1998年〜2001年
デザイン イタルデザイン ジウジアーロ
定員 4名
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 FR
ハンドル位置 左ハンドル

エンジン AM585 3.2L V8ツインターボ 
最高出力 370ps 6250rpm
最大トルク 50kgm 4500rpm
過給機 IC付ツインターボ

ボア•ストローク 80×80mm

変速機 MT•トルコンAT(うちのはAT)

フロント/リア ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ
フロント 235/40ZR18
リア 265/35ZR18

ホイールベース 2660mm
全長 4510mm
全幅 1822mm
全高 1305mm

重量 1590kg (MT)• 1660kg(AT)
販売価格 1100〜1150万円


私の個体は1999年式のATです
生産から25年が経過しており
ハーネス類、ゴム類みな劣化しているはずで
基本的には交換してある車輌が理想です

内装について

ETCは後付けで、オーディオも貧弱です、私の個体はちょっと前のカロッツェリアの1DINサイズのUSB付CDアンプのオーディオが装着してありました。Apple純正のLightningケーブルであれば充電とUSBオーディオを利用出来ます、スピーカーはたぶん純正のままで、大きな音をだすと簡単に音割れしてしまうそんな感じ

前のオーナーがアセットコルサ用の軽量な鍛造アルミホイールを装着されていました

ドアの開閉はリモコンキーです
キー自体はリモコンが付いてる割に小さめで好印象でした

黒いキーカバーの写真に写っていない反対側の側面に小さなボタンがありそれを押すとドアが開閉します

ハンドルのコラムにキーを挿して回せばエンジンが掛かる昔ながらのオーソドックスなキー操作です

エンジン

始動時の音は、この後の世代の大きめギブリやクアトロポルテとは異なりV8エンジンにしては大人しめの始動音とアイドリング音

とはいえ、エンジンが掛かると低く唸り続けるのでその存在感を周囲に伝えます

それはやはりレースの世界を起源に持つMaseratiの存在感を示しているようでもありました

空ふかしするとツインターボらしいちょっとフリクションロスを伴ないながらファン!と軽く吹け上がります。アクセルペダルの踏力は軽めです。

回転数の落ちは早過ぎず遅過ぎずATでは変則時に気を使うことありませんが、MTだと違和感なくシフトチェンジが出来ると思います

それでは、3200GTのシフトのセレクターをドライブに移動して発進しましょう

ダッシュボードの真ん中下の液晶画面に「D」と表示されるのを確認し、ハンドルを切りながら加速をはじめると後ろからゴリゴリとスポーツカーにありがちな音を鳴らします

丁寧に扱うとゴリゴリをあまり聞かずに走り出せます

アクセルペダルは軽めなため、雑にアクセルペダルを踏み込んでしまうと簡単にタイヤが空回りしながら加速をはじめてしまうのを押さえるのには慣れが必要かもです

とはいえ2日で1,000kmばかり走っても右脚の脛がつったり痙攣したりはしなかったのでペダルの重さは長距離移動に最適な軽さなのかもしれません(実はアウディは重い訳ではないものの、常に踏み過ぎないように緊張するからか、長距離走行中に脛がよくつってしまいクルーズコントロールがあると助かるのです)

3200GTにはクルーズコントロールは装備されていないのかと、後述する電装系トラブルを勘案すれば装備されていない方がいいとも感じます

車重がATで1660kgあるためスポーツカーにしては重い感じ、でも車体のサイズは掴みやすくリアカメラ必須の最近の車より扱いやすいかもしれません。バックで駐車場スペースに入れる時、窓を開ければ、ドアを開けずとも後輪とリアバンパーの端の位置が確認出来て取り扱いは楽なサイズ感です

全般にGTの名のとおりグラントゥーリズモの性格で、ゆったりとした気持ちでいながら速く目的地へ走れるクルマの性格が出ています

それでも気温が高い中、渋滞は怖いと思い、渋滞しないルートや時間帯を意識してしまいました。

サーブ900さんや古い欧州車はたいがいそうですが、夏の日本の渋滞は想定外の過酷な状況で、シールを痛めエンジンの寿命を短くさせることになると思います

加速感は、あまりパンチが強い強烈なものではなく、加給音が出ると気持ちよく加速する感じです

加速は時速100km/hではまだ序の口で3200GTはもっと速度をあげたいというのを抑えなければならずストレスたまります

ATは4速でパドル無し

走行時にときどきパドルが欲しくなります

それでも高速道路で前車追従時などアクセルオフでそこそこ減速してくれるため、ブレーキを踏まないと追突してしまいそうになることは殆どありませでした

高速での加速はギアを落としてなど考えなくてもアクセルを踏めばターボの過給音を出しながら適切な速度まで簡単に加速します

パドルが欲しくなるのはブレーキを併用する急なカーブの入り口で減速を補助する意味合いでシフトダウンしたい時ぐらいなものでした

ジャジャ馬?

足回りは固めというか、ドシーン!とかガラガラ〜ゴォー!という低級なロードノイズがすごいです。タイヤの銘柄にもよると思います。この個体は日東のタイヤでコスパは良いでしょうが、ロードノイズは結構響かせてきています

普段シリカのジャリというかサラッという感覚があるミシュランタイヤの感覚が好きなのですが(長持ちしそうだし)、3200GTに履かせると路面の感覚がリアル過ぎてあまり相性良く無いかもしれないです

こと低速時の乗り心地で言うとショルダー部のゴムのダンピングが強めのダンロップや横浜タイヤ、ピレリ、グッドイヤーあたりのタイヤが向いてそう、サイズ無さそうですが、ブリヂストンだったらあえてレグノを履かせたくなるそんな印象です

新東名の制限速度120km/h区間の速度になってはじめて固かった足がちょうど良い踏ん張り感に感じられクルマがイキイキしはじめました

おそらく120km/h以上が快適な速度域のようです
200km/hくらいでもきっと安定しているでしょう
250km/hではヒヤッとすることありそうです

特にブレーキのタッチや効き目は今の時代の普通乗用車と大差ないようなストロークでした。さすがに頼りなくはないものの、効きはそれほどでもなので、一番の弱点はブレーキですかね

乗り心地を良くするためにインチダウンしたりタイヤサイズを小さくしたりするとバランスが崩れて簡単にスピンしそうなシャーシよりエンジンが勝った性格のようです

狭いワインディングが楽しい性格なのか?試してみたいとも思えなかったです

もちろんスポーツカーのスタイリングと重量バランスを持っているので、四輪より外側の重さに引っ張られるようなことはなく、かなり小気味良く走れるでしょう

最近のポルシェのようなスタビリティが異常に高いクルマではない感じで、コーナー途中でリアタイヤが突然横にブレークしそう、スピードが早いカーブでは過信すると簡単に大事故になりそう。腕とやかくではなく、いのちを大切にすることを第一に意識すべきかと

第一印象まとめ

このクルマが楽しいのはちょっと早いスピードで走る高速道路とはいえ、日本の制限速度域では低すぎる感じです

自分で走った経験ないのでなんとも言え無いですが速度制限の無いアウトバーンであれば爆走するアウディのセダンを追い越すことも出来そうですが、スーパーカーが来たら引くかもしれません

というか、私の場合、後ろからどんなクルマでも迫ってきたら道を譲っていました。それこそアウディやハイエースや軽自動車、トラックなど何台に譲ったことか

ターボ過給が乗ると加速は早いものの、ターボ過給のないNAのV10エンジンやV12エンジンのクルマに乗り慣れている方からすると、ターボに頼った加速の単調さや、エンジン音、熱量、パワーの感じ方などの厚みの面で、ちょっと物足りなくなるかもです

日東のタイヤを履いていること、個体の劣化度合いもあるからかもしれませんが、たとえタイヤの空気圧を高めても欧州車によくある高速で路面の上を爪先で滑るようになぞって走る感覚よりも、昔ながらのどっしりとしたタイヤのグリップを感じながら走る感覚

ヤングタイマーとして気楽に乗れる一台と考えると、とても魅力的な一台です

それにしても、

今回の個体は電装系がダメすぎです。50万円くらいかけても良いからヒューズ、ハーネスからスイッチ、コネクタまで全部やり直した方がいい

70年台のイタリアンバイクに乗っていた時を思い出しました

他にもあらを探すというか、あらだらけで、
あれこれ手を入れたら200〜300万円ぐらい掛かりそう、それでも基本が綺麗な個体にはならない。

先日ご紹介したグラントゥーリズモを買った方が絶対的に満足するし安上がりです。

絶対的には安くは無いのですが、Maseratiとしてみたら完全に安物買いの銭失いなクルマ

初日から後悔しかしていないクルマを手にしたのは久しぶりです

結局言ってしまいました

まぁ、チャレンジしてみて分かることもあります

勉強させていただきました

追伸 ターボ車つながりのサーブ900カブリオレとの比較

'93のクラシックサーブ900カブリオレのロープレッシャーターボ車を所有しているので'99のMaserati 3200GTとどちらもあまり乗っている方が少ないから意味あるかわかりませんが、あえてターボの比較を試みます

サーブ900のエンジンはFF縦置きターボで155psほど、3200GTはFRのV8ターボで370ps

サーブ900は、ターボ過給時の「もりあがり感」が牧歌的だけど楽しいです

サーブ900の重めのアクセルを踏み込むとガス濃いめのエンジンがやったるでぇ!と野太いノイズとともに背中を押してと言うか、かるく背中を支えてくれる感じで、それでもプリウスに加速で負けます

3200GTの場合、過給が始まるとヒュイーーンと一気に他のクルマを後ろに置き去りにします

さすがは3200GT、50kgmの最大トルクは速いです。4500rpmが最大トルクの回転数で回していくとどんどん加速が早くなります

対して、サーブ900のロープレッシャーターボは23.9kgmと最大トルク自体は3200GTの半分にも満たないものの、回転数3000rpmとかなり低い回転数で最大トルクを発揮させます。

トルクカーブ表があると、それぞれの車輌の性格も分かると思われます

サーブ900については、信号ダッシュのゼロ発進の場面でのハイブリッドカーのプリウスと張り合ったことをイメージしていました

3200GTのターボ過給のイメージは、高速道路上で追い越し車線をふさいでいた前車が開けてくれた時の追い越し加速の場面をイメージしています

それぞれに得意な場面が異なるのですね

以上、3200GTの第一印象とさせていただきます。素人のインプレッションでお粗末さまでございました。

サポートいただきありがとうございます。自分の記事がみなさまの生活の豊かさに少しでも役に立てたら大変嬉しいです。