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発声障害を治す~声の方向と癖~

自分の声帯の映像を3度見た事があります。10年前、7年前、4年前に病院で見せてもらいました。10年前くらいの時にはもうすでに声に異変があって音声外来に行ったのですが、その時に言われたのが「左右差」でした。右の声帯の方が少しだけ強く動いてる。といった内容でした。そう言われて、じゃあ左を少し強く動かそうなんて出来ないしよくわからないままで俳優の活動を継続していました。

それから3年経過してから行った病院で、「過緊張性発声障害」と言われ、あくび溜め息法を指導されました。声帯が見えなくなるほどに喉を締めて声を出しているとの事で、映像を見ても確かに声帯が隠れる事がありました。

最後が4年前。ここで見た時は声帯がしっかりと見えました。両サイドの声帯が中央に寄り切れずわずかに隙間が開いている状態。この隙間がカスカスの声や息漏れを引き起こしていました。声帯自体に傷やポリープがある訳ではなく、動きに異常があるのは明らかでした。

最初に言われた「左右差」は最後には消えていました。これは、左右差が無くなったと見る事も出来ますが、僕は「右も弱くなった」と見ています。右の動きで少しだけマシな発声をしていたが、発声の癖が悪化していき、右側の声帯も動きが弱まり左右ともに中央に寄れなくなったと考えます。

それをカバーする為に声帯が見えなくなるほどに過緊張になって発声するようになりました。イメージとしては、息が漏れていくのを声帯では抑えきれないので、喉の筋肉を狭くして息漏れを抑えようとする感覚です。ロングブレスは10秒も持たないので、カラオケなどでは息継ぎの回数が多くて歌うのがしんどかった思い出があります。最近は行かなくなりました笑

声の方向について、前後は何回か書いてるのですが、左右と上下についても書きたいと思います。僕の声は低音になるほど息漏れがあります。その為、喉仏が低い位置で声を出すと息だけになったり大きく息漏れした声になったりします。そこで、地声の筋肉が弱いと診断され、喉仏を上から抑えるカイザーグッヅマン法をやるように指導されました。高めの声は比較的マシなので納得してやっていたのですが、効果はあまり感じられませんでした。たまに声帯に声がかかる感じがあって「いいかも」と思った事もありましたが、ほぼ効果は無かったと思っています。

次が左右差ですが、これは基本的にはイメージで修正するか、姿勢を改善させる事で矯正するしかないと思います。真っ直ぐ立ったつもりでも肩の位置が左右でずれていたり、首が少し曲がっていたりと人間は左右対称で全てをこなすのは難しいです。それが声帯にもあって、声帯を動かす筋肉に癖が出たり姿勢の影響で筋肉の動きに差が出たりすると、その状態を体が覚えてしまい、通常の発声法がその出し方になってしまう。こうなってくると自分は真っ直ぐ立ってるつもりだし、声帯に左右差があるなんて考えないしで、原因不明のまま過ごしていき、声は悪化していきます。

声に異変を感じている方は1度、自分の声帯を病院で見てみる事をオススメします。映像はスマホのカメラで撮らせてもらって後から観察する事も出来ますし、先生の意見を聞く事も出来ます。もし左右差が見られたら、足を組むや荷物を持つ手などに注意し、ストレッチなども含めて体の歪みを正しましょう。そして何よりもそのままの発声に問題があるかもと疑ってください。自分の声の出し方を観察してください。力みがどこにあるか、声はどこに響いているか、無意識に出す声はどこに当てる感覚で出しているのか、舌の動きはどうかなど、普通だと絶対に考えない事を考えて下さい。

声帯自体に傷やポリープがなく、神経も正常で飲み込む時にむせたりはせず、息を止める事も出来るのなら、声帯に異常はないと考えていいはずです。それで声がおかしいのなら癖です。普通の声が普通じゃないだけです。それならきっと治せます。まだ初期段階なら早く治せると思いますし、僕と同じで長年苦しんでる方も大丈夫です。根本的な発声を見直しましょう。

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