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ここにいるって、そういうこと

サロンからお送りしている月イチのメルマガがあるのですが、
6月分の一部を修正してこちらでもシェア。

「Aさんがね、
『大きいフリルが首元にふわっとついた
白いワンピースを着ることに決めてる』っていうの!
私もそういうの決めた方がいいかなと思って…」

先日、
終活真っ最中の母がこんなことを言ってきました。


なんの話かというと
亡くなって棺に入る時、何を着るか問題」。


Aさんは母の友人で、
健康でアクティブな70代マダム。

スキーにテニス、
ゴルフにウォーキング、と日々お元気に活動してる方です。

そのAさんが
亡くなった時の具体的なことを話し出すものだから

「あんなに元気なAさんも、もうちゃんと決めてるんだ!」と驚いて、

自分も考えようと思ったそうなんです。

(こういう話は身内より友達の声のほうが響く)


本来の「死装束」は
宗教ごとの形式があるんでしょうが

最近は好きな服を着るケースや
エンディングドレスというものもあるらしいですね。

自分の肉体に最後に着せてあげる服、
自分が気に入ったのがいいよね…と思い

その場で母の好みをいろいろ聞きながら、
ネットでおしゃれなワンピースを探し、注文しました。

おしゃれワンピースを検索しながら、
ふと思ったんですよね。

「わたしも何着るか決めとこうかな、
いま着てるこのくたびれたカットソーを
”本人がよく着てたから”って着せられたら絶対イヤだし」


「あれ?でも、
死んだ肉体に着せたくないような服を、
いま生きてる肉体に着せてる
って、
どうなんだ???」って。



もちろん、
日常に着る服と
セレモニー的な意味合いがある「最期の服」に
差があっていい。

最期に着る服は
肉体へのこれまでの感謝や祈りや
もしかしたら
周りの人への配慮が込められるかもしれないし。


でも

当然ながら
死んで棺に入ってしまったら

自分はもうそれを着てるリアルな肉体感覚を
しみじみ味わうことはできない。

どんなに気に入ってるステキな服を選んで
それを肉体に着させても

「うれしいなあ」

「心地いい!」

「うきうきする!!」

なんてことは感じられないんですよね。


それに
死んだ肉体に
「今までありがとう」って
感謝の意を表すなら
日頃から感謝を伝えていったほうがいい。

なんたって今この瞬間も自分のために動いてくれてるんだし。


最期のセレモニーを大事にする思いはもちろん大切だけど

まずは
生きてるうちに、

肉体や心が感じられるうちに

味わいたい感覚を味わったり
その感覚器である身体に感謝するほうが先じゃない?

そんなふうに
自分の身体、自分の人生への扱いの適当さを省みましてね。


とりいそぎ、くたびれ加減が気になってた服を新調しました。


服の話に限らず

どんなことをやりたいのか、
どんなことを感じたいのか、


本当はみんなそれぞれに
「わたしの人生こうしたい、これ味わいたい」
というものをもって
生まれたはずなのに。

ついつい
日常のあれこれで忙殺されたり

「この程度でいいか」とか
「こう思われたらイヤ」とか
「私なんて・・・」とかいう思考などで
ないがしろにしてしまいがちですよね。

でも、
そうして人生を送っているうちに死んでしまって

肉体を手放したあとに
「生きてるうちにもっとこうすればよかった」

なんて語る人のお話、よく伺います。

誰からか?って
前世療法を受けるクライアントさん方を通じて登場する、
数百年前の過去生を生きた、人生の諸先輩方から。

(その過去生のやり残しの無念さを通じて
現世の使命を思い出す方もいらっしゃいます)


無念を感じるのが悪いんじゃない、
どんな人生もすばらしいんですよ。

ひとつも後悔しない人生を送るべきとか、
くたびれたカットソーを着る人生はダメとか(笑

そんな話じゃあない。

けれど

本当はこうしたい気がする、とか
もうちょっとこんな気分で過ごしたい、とかいうものがあれば

肉体を持ってるうちであれば、それを味わうチャンスがある。


あなたの身体と心で
それを味わう許可が、すでにもらえている
んですよね。

命があってここにいるって、そういうことだとわたしは思います。


「いいよいいよ、なんでもリアルに感じておいで、
そのために心身という感覚器を貸してあげるから」

そんな懐の深い、
無条件の愛のような許可をもらえてるのに
わたしたちってどうして
すぐ忘れちゃうんでしょうかね。

十分にその許可されてる自由さを享受できたら、
もっとたのしいかも。


心と身体を持って感じられるうちに、
お互いこの人生で、
味わいたいものを味わっていけるといいですね。


いただいたサポートは、わたし自身の心身や知識を満ち満ちに満たすことに使わせていただき、クライアントさんや読者さんに還元します!