新卒入社から3年間、「社内ニート」やってます。③〜社内編〜

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企業には、新人を育てるため、いろいろなコンテンツが
用意されていることが多い。

まずは、入社当初の配属前に、ビジネススキルなどの
社会人としてのマナーについて習う研修。
それに加えて、技術的なスキルが求められるような職種であれば、その技術の研修があることが多い。

その他にも、新人に配属後に面倒を見る、OJTが新入社員
ひとりひとりに割り当てる制度や、
メンターといって、業務以外のメンタルケアとして、
新入社員が相談できる相手をOJTの他に割り当てる制度も
あったりする。

もちろん、会社にもよるが、
「新入社員をきちんと育成しましょう。」
というのが、最近の日本の会社の考え方である。
特に多くの大企業では「新人育成が手厚い」ことを売りにしているのだ。

そして、多くの企業は「3年間」を新人として育てる計画にしている。
そのため、1年目が終わっても、3年間は節目節目に、
業務報告会のような研修が行われたり、様々な研修が用意されている。

業務や成果を、同期たちに発表させたりすることで、
自信をつけ、モチベーションを保ち、同期同士で
切磋琢磨して成長していってほしい。
そんな思いが、あるのだろう。

しかし、私にとっては、地獄のような研修だったし、
OJT制度も、あってないようなものだった。

同期たちとの業務報告会。
社内ニートとして配属された私に、なんの成果を
報告しろというのか。
身につけられたのは、タイピングのスピード力くらいだ。

周りの同期たちが、自信満々に自分の業務を話していく中で、
私はどんどん落ち込み、涙をこらえていた。

みんな、そんなに成果があるのか。
忙しいのか。
そもそも、業務があるのか。
私は…私は…毎日ただ座って、
動かす必要もないパソコンとにらめっこするだけなのに。

何が切磋琢磨だ。
何が育成だ。
ふざけるな。
会社への不信感、劣等感、悔しさ、悲しみ…
いろんな、黒い感情だけが心の中を渦巻いていく。


そして、私はOJT制度で割り当てられたトレーナーにも、
何度も訴えてもいた。

仕事がほしい。
何をしたらいいのかわからない。

課長とトレーナーは自身の仕事で忙しかったし、
新人の私にどの仕事を振るべきか、決められていなかった。
その時点で、新人の配属先として、間違っているだろう。
そう思う。

隣チームとの合同の会議のときに、トレーナーは突然言った。
「隣チームの業務に入れてほしい」
全員、寝耳に水だった。

そして、隣チームの人は、ムッとして言った。
「それ、私達に面倒全部見ろって言ってます?」
当然だろう。

そのやりとりを目の前で見た私は、どんな顔をしていたんだろうか。
お荷物扱いされ、自分の存在価値が本当にわからなかった。
私はなぜ、今ここにいるんだろう。

この頃が、辛い時期のピークだった。
最終的に、私は人事部の育成担当に連絡し、涙ながらに
辛いと、訴えた。

育成担当から、課長とトレーナーには注意がいき、
私は、正式に隣チームへの異動が決まった。

社内ニートとして過ごして、半年間。
やっと、希望が見えた瞬間だった。


でも、これは序章の幕が降りたに過ぎなかった。


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