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【読書感想】赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。
『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』 青柳 碧人
前作「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」よりも面白くてパワーアップしていました。私はこちらの作品の方が好きでした。
まず初めに赤ずきんが、ピノキオの一部を拾ってピノキオの盗まれた体を捜しに旅に出るのですがその道中でまたたくさんの難事件に巻き込まれます。
ピノキオは嘘をつくと鼻が伸びてしまう、あの有名なピノキオです。
赤ずきんが拾ったのは一部分ですが、ピノキオと会話することができます。
第一幕 目撃者は木偶の坊
第二幕 女たちの毒リンゴ
第三幕 ハーメルンの最終審判
幕間 ティモシーまちかど人形劇
第四幕 なかよし子豚の三つの密室
こちらも短編集なのですが、前作よりももっと全話の繋がりが深かったように思います。最初から面白いのですぐに読み終わってしまいました。
この赤ずきんシリーズ、まだ続くのなら読みたいと思うくらい好きな本になりました。
短編集どれが面白いか今回は選べない位、全部面白かった。
強いていうなら白雪姫をベースにした女たちの毒リンゴかな?
犯人がえ、まさか??と思わされました。
音楽の街、ハーメルンでの出来事「ハーメルンの最終審判」も良かったな。
赤ずきん、頭脳明晰すぎる。少ないヒントでよく解けるなぁと感心します。
「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?」の名台詞は今回も度々出てきます。
最終章の「なかよし子豚の三つの密室」での魔女の言葉。
「命は限りがあるから価値があるんだよ。」
いい言葉を魔女から聞けるなんて。
そして赤ずきんもピノキオに、
「人生には限りがあるわ。」
「だから今日という日に価値があるのよ。」
と伝えます。ピノキオももちろんそれを分かっています。
終わり方もとてもよかったです。
書籍一冊分くらいあるのに、童話を読んでいるような感じからかそんなに読んだ感じはあまりせず(文字も少し大きいからかな?)、でもだからこそとても読みやすかった。
青柳碧人さんの作品は全部こんな感じなのかな?他の作品も読んでみたいと思いました。
「むかしむかし-」も読んだので、また感想書いていこうと思います。