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【読書レビュー】主人公は一体誰?『むらさきのスカートの女』今村夏子
※ネタバレありの感想になりますのでご注意下さい🙇♀️
初めてこの方の本を読みました。
タイトルにある通り「むらさきのスカートの女」という人物を追った話になっています。
一人称で物語の視点がずっと"私"。
"私"視点であるはずなのに、"むらさきのスカートの女"の行動を全把握していて、読んでいて少し不気味な感想を持ちました。
ストーカーなのか、はたまたこれは"むらさきのスカートの女"自身を客観的に見ているもう一人の自分なのか?と疑う程、何か歪な感じがしました。
むらさきのスカートの女が不気味に描かれているけど、私はずっと物語視点の"私"がずっと気になって最後まで読んでみて、結局何がしたかったんだろうってなりました。
一言で言うと、むらさきの女っていう変わった人物が描かれているけど、実際に一番不気味だったのは"私"である黄色いカーディガンの女であったこと。
読み終えた後に色んな記事の考察を読みました。
途中で気付いたらゾッとする感じなのかな。
最初からこの女(私)なんなの?って疑いながら読んでたから最後までゾクゾク感は感じませんでした(^-^;
やっぱりストーカーだったのねって。
でも何故そんなにむらさきの女に執着してたのかは分からなくて、ラストシーンはちょっと考えさせられました。
"私"の人物が誰か分かった瞬間に気付いていたらゾクっとしたかもしれない。
最初から色々考えすぎて読んだから、何も考えずに読んだらよかったのかな。
でも引き込まれる小説でとても読みやすかったです。
調べてみたら、以前読んだ『星の子』と同じ作者さんでした。
という事はこの方の本は初めてではなかったみたいです。
『星の子』も本と映画、両方観たので機会があれば記事にしようと思います(^^♪
「むらさきのスカートの女」は色んな解釈があると思います。
読まれた方はぜひ感想下さいね♪