【読書レビュー】何てことない日常が幸せだと気付かせてくれる🌈🌈『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛
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感動の余韻が消えません🥲悲しくて切なくて、だけど温かい素敵な物語でした。
今がこんなにも幸せだと改めて気付かせてくれるような小説でした。
主人公の女の子、百合は日々の暮らしに不満ばかり募らせていた。何もかもに腹が立って、自分を一人で育ててくれた母親にまで反抗してばかり。
しかし、家出した彼女が眠りから目覚めた場所は70年前の日本。
そこはアメリカ軍と日本軍が戦争している真っ只中の世界だった。
当たり前にあった日々が一瞬にしてなくなる。
目の前で人が焼かれ、親を亡くした子供たちが泣き声を上げている。
しかし、この世界に来た百合に優しい手を差し述べてくれる人達がいた。
百合はこの世界は間違っていると苛立ちを感じ始めるが、自分の力ではどうする事もできない。
戦時中でも現代でも私たちは同じ人間。
なのに、どうしてこんな恐怖が当たり前にあるんだろう。
百合は今までどれだけ恵まれた世界にいたのかを知る事になります。
自分とあまり変わらない位の歳の子が、学校も行けずに働き、また、国の為に命を捧げる事が幸福な事だと皆んなが口を揃えて言うほどに、この世界は戦う事が当たり前になっていた。
死にたくないと、逃げる事が恥だという世界。
だけどそんな事は絶対におかしい、と思う。
誰にだって生きる権利はあるはずなのに。
ただ愛する家族と一緒に過ごしたいだけなのに。
だけど何もできずに泣く事しか出来ない自分を、いつも周りの人達が慰めてくれていた。
そんな世界で百合は初めて恋をした。
だけどその人は特攻隊員で、もう少しで国の為に命を落とすことになるー。
戦争なんてなければ、特攻隊員になんてならなければ二人はずっと一緒にいれたはずなのに。
読んでいて、特攻隊員を見送る姿がどれだけ辛いのか百合と同じで胸が締め付けられる思いでした。
最後に大切な人が残してくれた手紙さえも読むことが出来ずに、百合は現実の世界へと戻ります。
百合は目覚めて、元あった世界に帰ったのだと知ります。
それから百合にとって、この世界が今までと違った世界に見えるようになりました。
あの時、命を懸けて国の為に戦ってくれた人達がいるから、私たちは今こうして何不自由ない日々を送る事ができる。
本文でとても印象に残った言葉です。
ラストの展開が涙なしでは読めませんでした。
命の尊さを改めて感じさせてくれました。
この小説のタイトルである、
の文を読んだ時、ぶわっと胸が熱くなりました。これは読んだ人皆んなが感じた所だと思います。
とても悲しいお話しなのに、ラストの展開で泣けてくる。
しばらく余韻が消えない小説でした。
改めて、今のこの世界が幸せなのだと教えてくれる本でした。
なんと映画化が決定しているみたいです。(知らなかった😭😭)
観に行ったら、号泣して嗚咽しそう。
とても感動する本だったのできっと映画観に行くと思います。
読んだ方はぜひ感想教えてくれたら嬉しいです🥲