この状況に負けない・逃げない
使える!資金繰り表の活用で活路を見いだしましょう。久しぶりに、統計資料とメディアが伝えるギャップに目を向けてみます。なぜ、今月なのか?というと、セミナーでもお伝えしているように令和5年7月がゼロゼロ融資(利息ゼロ・元金返済ゼロの猶予期間のある融資)が、猶予期間が終わり返済開始のピークを迎える事となる。と言われていたので、様々な観点から検証して、今と今後に私たちはどう向かうべきかを考えようと思っての事です。
今を示す指標として、GDP速報を見てみましょう。
2023年4~6月期四半期別GDP速報 (1次速報値)令和5年8月15日によれば、成長率は 1.5%(年率6.0%)名目GDPの成長率は、2.9%(年率12.0%) となった。とあります。今年に入ってから急成長を示していると言っていいのではないかと思います。GDP実額は、実質で560.7兆円、2022年が実質549.2兆円ですから、11.5兆円も経済規模は拡大して循環しているんです。早く自分のところに廻って来ないかな。と誰もが思いますよね。
ただ、寄与度といって、この数値に寄与している要因は何か。GDP成長率のうち、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、実質は国内需要(内需)が▲0.3%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入) が1.8%となった。名目は国内需要(内需)が0.2%、財貨・サービスの純輸出 (輸出-輸入)が2.7%となった。とあります。
つまり、国内では景気が悪く、実体経済を伴わない金融市場と海外の景気は良いので、輸出関連会社が好調という事です。さらに読み進めていくと、民間・家計支出マイナスとあります。各人のお財布のひもは固く、個人向け商品・サービスを提供している企業は、売上が伸びにくい事を示しています。故に、企業の設備投資も進まず、更に、在庫変動のマイナスは、製品を作らず在庫を減らしている事を示し、生産活動の低下を示しています。以上を見るだけでも、多くの企業や人が経済的に厳しい状況にある事が推測できます。
しかし、日銀の会見やメディアの放送を見ると、企業業績が回復傾向にあるのだから、各企業ともエネルギー・原材料高騰による物価の上昇に、国だけでなく、民間の会社が賃金アップで社員に還元して行きましょう。という世論を作り上げているかのように思います。
中小零細企業には、社員に少しでも給与を上げてあげたいと思う経営者が多いです。ですが、国内需要がマイナスで、売上と利益が出にくい中で、給与を上げる原資がない。故に、給与が上げられない事で社員の定着率が下がるなど多くの経営者を困らせています。
また、社員にとっても苦しい思いをさせています。社員は、テレビ等で賃金アップが奨励されているのを見て、うちの会社は、何で給与が上がらないんだと不信感を感じ、モチベーションが上がらず転職を考え生活が安定しない人が増加しています。
ゼロゼロ融資の返済、コロナ関連支援終了で、猶予されたもの支払いに加え、原材料・エネルギーの高騰、それに伴う商品の物価上昇が重なり、中小零細企業では、資金繰りが逼迫して行くのは当然の流れです。
絶対に負けない。それには、協力を願い出る相手に、自分の熱意が伝えられるエビデンス資料を用意して立ち向かって行く事です。逃げても事態は悪化するだけです。大丈夫です。勝ち抜けましょう!
大森雅美 インタビュー掲載中!
日経新聞電子版「私の道しるべ」に
大森雅美のインタビューが掲載されました。
ぜひご覧ください。
経営に活用できる「資金繰り表」を配布しています。
経営コンサルタント 大森雅美オフィシャルサイト
無料でダウンロード頂けます。
著書のお知らせ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?