女性のホルモンの知識を深めよう!③〜ゴナドトロピン編〜
今回はゴナドトロピンについてお伝えします!🧚🏻
これまでのお話でもゴナドトロピンについて少しずつ触れていたので、
『女性のホルモンの知識を深めよう』というシリーズの記事を読んでから、この記事を読んでいただくとより分かりやすいと思います🧚♂️
ゴナドトロピンとは?
ゴナドトロピンとは、以前お伝えしたゴナドトロピン放出ホルモン(以下GnRH)の分泌刺激により、脳下垂体前葉から分泌されるホルモンです。
GnRHについてはこちらをどうぞ💁♀️
どんな働き?
黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)がそれにあたります。
FSHは、卵巣にある未熟な卵胞を発育させ、エスロトゲンの分泌を促します。
LHは、卵巣でFSHとともに卵胞を成熟させ、排卵を促します。排卵後は黄体を刺激してプロゲステロンの分泌を促します。
エストロゲン分泌への関与
正常月経周期では、FSHがエストロゲンの分泌を促すと説明しました。実は、LHも関わっているんです。
このお話を説明するには、顆粒膜細胞と莢膜細胞(きょうまくさいぼう)について先にお伝えしますね🧚🏻
顆粒膜細胞とは、まだ受精していない卵子にとりついている細胞のことです。卵胞の中にある卵子は、顆粒膜細胞に取り巻かれています。
莢膜細胞とは、卵胞がある程度の大きさになると、周辺に細胞層ができ卵胞を囲みこむのですが、その細胞層のことを指します。
では、FSHとLHのエストロゲン産生への流れを説明しますね🧚🏻
FSHは、原始卵胞に作用して、顆粒膜細胞の増殖を促し卵胞の発育を促進させます。そして、その顆粒膜細胞でエストロゲンが産生されます。
よって「FSHはエストロゲンの分泌を促す」といわれますよね。
では、そのエストロゲンは何から作られているのか。
実はエストロゲンを作る材料となるのは、アンドロゲンというホルモン(男性ホルモン)です!🧚🏻びっくり!
アンドロゲンはLHの作用を受け、莢膜細胞で産生されます。
エストロゲンの産生の流れをまとめると、
莢膜細胞で男性ホルモンを作り、
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それが卵胞を包む基底膜を通過し、
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卵胞の中に入り、顆粒膜細胞へ到達すると、
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男性ホルモンをエストロゲンへと変えるのです!
男性ホルモンを女性ホルモンに変えるってびっくりですね🧚🏻
この、エストロゲンの産生にはLH、FSHの2つのホルモンと、顆粒膜細胞と莢膜細胞の2つの細胞が関与していることから、
「2gonadotropin 2cell説」とよばれています。
LHサージとは?
次はLHサージについてお伝えしましょう🧚🏻
まずLHサージとはなんなのか。
これは、排卵前に黄体形成ホルモンが一過性に大量に放出される現象のことを指します。
LHサージは、大きくなった卵胞での、卵母細胞の成熟分裂をおこします。
※卵母細胞が減数分裂を繰り返すことによって卵子が形成されます。
そして、排卵を引き起こします。そして、LHサージ開始後24-36時間で排卵するといわれています。
LHサージがおこるメカニズム
LHサージは、卵胞が成熟し、エストロゲンの血中値が200〜300pg/ml以上になると、ポジティブフィードバック機構が作動しておこります。そして、排卵が誘発されます。
月経周期についてはこちらをどうぞ💁♀️
エストロゲンのフィードバック機構についてはこちらをどうぞ💁♀️
ゴナドトロピン(hMG-hCG)療法
上記で説明したような過程で、薬を使って排卵を誘発をさせるゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)というものがあります。
こらは、正常月経周期での卵胞の発育と排卵に至る過程を模倣して開発されたものです。
方法は、まずFSHを活性させるhMG製剤を連日投与し、卵胞の発育を促進します。
そして、卵胞径が18㎜に達したら、LHを活性させるhCG製剤を投与し、排卵を誘発します。
hMG➡︎ヒト閉経後ゴナドトロピン
昔は閉経後の女性の尿から精製されていました(現在は遺伝子組み換え)。
hCG➡︎ヒト絨毛性ゴナドトロピン
胎盤から抽出精製され製品化されています。
よく妊娠を希望されている方で、排卵誘発を促している方だと最後のhMG-hCG療法なんかは聞いたことがあるかと思います🧚🏻
年齢によって分泌量が変化する?
では、ゴナドトロピンというホルモンは年齢によって分泌量がどのように変わるのかをお伝えしますね🧚🏻
歳を重ねるにつれ、減ると思いますか?または増える?
胎児期や新生児期
この時期は、分泌が促進され性腺の発育に関与します。
〜思春期前まで
この時期は抑制された状態にあります。
思春期
夜間のゴナドトロピンの分泌が高まり、性ホルモンを生産し、これにより第二次性徴の発育が刺激されます。
性成熟期
思春期と同程度か、ほんの少し分泌量の増加を認めます。
更年期・老年期
更年期に入るとホルモン分泌量が急増加します。特にFSHの分泌量が多くなります。
FSHの急増加と更年期障害
では、更年期になぜFSH値が上昇するのでしょうか🧚🏻
更年期は、卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減ります。
エストロゲンのフィードバックにより、GnRHの調節を行っている視床下部では、
「エストロゲンの血中値が低い!もっとエストロゲンを分泌させろー!」
と下垂体に指示を送り、FSHの分泌量を高めます。
だから更年期ではFSHの分泌量が高まるんですね。
そして、卵巣は視床下部からの司令に答えられないため、視床下部が混乱を起こし、暴走してしまいます。
これが更年期障害です。
GnRHの分泌をしている視床下部は、以下をコントロールをする働きをしています。
・自律神経(血流や血圧・心拍・発汗・体温)
・内分泌系
・免疫系
・感情
よって、更年期の代表的な症状として、以下のようなものが起こります。
・精神的な症状(イライラ、うつ、不安感、不眠など)
・血管系の症状(ホットフラッシュ、動悸など)
・消化器系症状
もしも、更年期障害かなと思ったら、我慢せずに婦人科に行ってみてください。
ホルモン補充療法や薬や漢方での調整、カウンセリングなどといった対応もあるそうです。
また、まだまだ先の話!と思っている方。更年期になる前に、この原理を理解しておくことで症状の予防ができたり、精神的なストレスが軽減すると思います🧚🏻
今から知っておきましょう!
さてさて。ゴナドトロピン、色んなことに影響していますね!
今後もどんどん女性に関わるホルモンについてまとめていきたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!🧚🏻