女性のホルモンの知識を深めよう!④〜プロラクチン編〜
今回はプロラクチンについてお伝えします!🧚🏻
これまでもいくつかホルモンのお話をしたので、是非そちらも見てみてください🐰💕
『女性のホルモンの知識を深めよう』というシリーズのマガジンにあります!
ではいきましょう!🧚🏻
1.プロラクチンとは?
プロラクチン(以下、PRL)は、乳汁分泌ホルモンともいわれ、脳下垂体の前葉で分泌されるホルモンです。
主な働きとして、乳腺を刺激して母乳の分泌を促進させることがあげられます。
出産をしていないときでもわずかに分泌されますが、基本的には出産後に分泌され、母乳が出るようになります!🐰💕
2.プロラクチンの分泌刺激因子は?
一般的に、下垂体前葉から分泌されるホルモンは、視床下部からその分泌を刺激するホルモンが出ることで、分泌量を調節しています。
しかし!
PRLにおいては、視床下部からの分泌刺激因子が今のところ確認されていないそうです。
じゃあどうやって調整されてるの?🧚🏻
基本的に下垂体前葉から分泌されるホルモンは、視床下部から分泌される分泌刺激因子によって分泌が『促進』されます。
ですが、PRLの場合は、視床下部から分泌されるドーパミンによって『抑制』されているそうです。
まだ直接的な関係は不明ではありますが、
・甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
・血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)
・セロトニン
・オキシトシン
・ヒスタミン
などが分泌刺激因子として関係しているのではといわれています。
3.プロラクチンの受容体は?
PRLの受容体があるのは、
乳腺、下垂体、肝臓、副腎、腎臓、子宮、卵巣、精巣…
などなど全身の組織に発言しています🐰
4.どんな働き?
PRLは、基本的には乳腺の発達や乳汁分泌に関わります。
しかし、上記の受容体が色々な所にあることからもわかるように、
細胞増殖作用
血管新生
免疫調節
精神作用
骨代謝…
など幅広く影響しています!
5.プロラクチン分泌過剰について
PRLは、ドーパミンにより分泌抑制がかけられているとお話ししましたが、
その抑制がどこかでうまくいかなくなると分泌過剰になってしまいます。
このPRLの分泌過剰な状態は、病的であると捉えられていて、下垂体疾患のうちの特定疾患の一つに指定されています。
そして、分泌過剰になると、以下のような症状が出現します。
女性では
➡︎月経異常(無月経や希発月経)や乳漏、卵胞発育の抑止など
男性では
➡︎性欲低下、乏精子症など
こうなってしまう原因としては、
下垂体腺腫、下垂体茎破損、原発性甲状腺機能低下症、慢性腎不全、胸壁損傷、抗ドーパミン作用をもつ薬の摂取
が考えられます。
やはり、月経などに異常を感じる場合は、一度病院で検査してもらうのが良いですね🧚🏻
6.妊娠期、プロラクチンは子宮でつくられる?
ここまで散々PRLは脳下垂体前葉から分泌されるといってきましたが、
実は子宮内膜でも産生されていることが明らかになっているそうです。
通常、PRLは乳腺の発達や乳汁分泌に作用しますが、その必要がない妊娠期にも分泌が増加しているんです。🧚🏻
そしてこのときのPRLは、脳下垂体前葉ではなく子宮内膜で産生されます。
妊娠すると、受精卵が接した場所を起点として、子宮内膜が脱落膜細胞(脱落膜化)となります。
つまり妊娠すると、子宮内膜は形態・機能が変化し、造血因子・増殖因子など様々な物質を産生できるようになるんです!
ほんとすごいですよね!🧚🏻💕
そこでPRLが産生されるんです!
➡︎脱落膜性PRL
それにより、受精卵は発育して、どんどん分化していき、お魚のような形から、爬虫類、哺乳類を経由して、ヒトの赤ちゃんとして誕生するのです。
なんだか感動🥺💕
7.糖代謝との関係
おまけのお話です🐰💕
通常、食事すると、私たちの体の中では、血糖値が上がります。
その血糖値が上がりすぎないように、すい臓からインスリンを出して、血糖値を調節しています。
妊娠中は、常にお腹の赤ちゃんに栄養を与えているため、基本的な血糖値は妊娠していない時と比べて低くなります。
反対に妊娠後期になると、胎盤から分泌されるホルモン(PRLなど)がインスリンの働きを弱めてしまいます。
すると、もともとインスリンの働きが悪い人は血糖値が上がり、糖尿病を発症しやすくなります。
母体の血糖値が上がると、胎盤を通じて胎児の血糖値も上がるため、母子共に様々な合併症が起こら可能性があるので注意が必要です🧚🏻
勿論妊娠前からの不調もそうですが、妊娠時に出た症状はしっかりとお医者さんに相談し治療してください🐰💕
そして、産後や特に更年期と老年期には、似たような症状が出やすくなるので、気をつけて管理しましょうね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!🧚🏻