今後、日本語教師には外国語のスキルが求められるかもしれない話
あけましておめでとうございます。
今年もいろんな人に日本語教育について興味を持ってもらえるような記事を書いていきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。
さて、2024年1つ目の記事ですが、「今後、日本語教師には外国語のスキルが求められるかもしれない話」です。
正確に言うと、「認定日本語教育機関(日本語学校)で働くためには外国語のスキルがより一層求められるかもしれない話」です。
昨年12月28日に「登録日本語教員の登録申請の手引き」が文化庁のHPで公表されました。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93982901_17.pdf
多くの日本語教師の皆さんが気になる資料だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
特に現職の方!
経過措置について詳しく書いてあります。
私はいろいろお金がかかることにびっくりしました。
日本の公立学校の先生たちはこんなにお金かけて教員免許取ってないのに、日本語教師だけなんでこんなに取るんだ・・・ってちょっと謎です。
すぐ日本語学校で働く予定のない人はお金もあるし、手続きも少し面倒だし、登録する人少ないんじゃないかなって思っちゃいました。
私も日本語教師が国家資格化する!って決まったときは絶対国家資格取りたい!!!って思っていましたが、ちょっと考えが変わってきました・・・。
そして、この登録日本語教員の登録申請の手引きと同時に公表されたのが「日本語教育機関認定法 よくある質問集」です。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93982901_18.pdf
なんと52ページあります。
めちゃくちゃ多い。
しかし、これも今後日本語学校で働きたい、という人はぜひ読んでおいたほうがいいと思います。
私も一応目を通しました。
そこで気になる質問と回答があったのでそれについて紹介します。
「生活指導担当者」の基準が厳しくなっている
その質問と回答がこちらです。
この質問内の「認定日本語教育機関の認定等に当たり確認すべき事項(案)」ですが、読んだことがなかったので、こちらも読みました。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93982901_05.pdf
案なので、確定ではありません。
令和6年に中央教育審議会の下で決定予定だそうです。
認定日本語教育機関の認定をするに当たり、必要な確認事項が書いてあります。
この認定に必要な確認事項のもとになっているのが、「認定日本語教育機関認定基準」だと思います。。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93982901_02.pdf
こちらは条文です。
資料が多すぎて全部目を通すのが大変です。
現在の日本語学校(日本語教育機関)の告示基準が今後はこの「認定日本語教育機関認定基準」に変わっていくのだと思いました。
内容はだいたい同じで、「認定日本語教育機関認定基準」には「留学のための課程」のほかに「就労のための課程」「生活のための課程」についても書かれてあるので、その点が現在の告示基準と大きく変わる部分だと思います。
この条文の中で、「生活指導担当者」について以下のように書かれています。
現在の告示基準にもだいたい同じようなことが書いてあります。
ただ、驚いたのが、「日本語教育機関認定法 よくある質問集」にはっきりと通訳派遣会社との提携や、海外の仲介業者との連携、翻訳機器を用いることは認められません、と書いてあることです。
条文には「その他の関係機関との連携を行うことができる体制を整備しなければならない」=その他の関係機関と連携しましょうね。って書いてあるのに、生活指導をするに当たっては連携は認められない、とはっきり言っている。
こんなにはっきり書いていいの・・・?って思いました。
教育の質の確保のために必要なのかもしれないが・・・
皆さんはこの部分を読んでどう思いましたか?
そりゃあ、そうだよね~。必要だよね~。
そこまではっきりさせなくても良くない??
などいろいろ思うかと思います。
確かに国が認定する教育機関になるわけですから、基準が厳しくなるのはわかります。
実際に、私も日本語学校で働いている時は学生を病院に連れて行った際に、通訳を求められたことがありました。
でも、実際に基準を満たす人材(生活指導担当者)が全国各地にいるのでしょうか。
すぐ人材を準備することができるのでしょうか。
正直地方では難しいのかなと思います。
ただでさえ、日本語教師を集めるのに苦労しているのに、生活指導担当者まで在留外国人の母語で意思疎通ができる人を求めるとなると結構大変なのでは、、、って思います。
外国人が安心して学校で勉強したり、日本で生活したりするためには必要な支援の1つだと思いますが、なんだかな~・・・って感じです。
「在留外国人様」っていう考え方になっているような気がします。
それに、在留外国人が日本で生活していく上でもちろん必要になるのは日本語です。
日本に来たのだから、日本語でコミュニケーションできるのが一番です。
そこで役に立つのが「やさしい日本語」じゃないでしょうか。
いつまでも先生が病院や市役所等に付き添っていくわけではありません。
いつか在留外国人が一人でやらないといけない時がきます。
その時のために、最初から日本人とコミュニケーションができるためにはどうしたらたいいか、例えば翻訳アプリを使ったり、母語がわかる日本人と友達や知り合いになったり、など在留外国人自身が自ら考えて行動に移せるように指導してくほうが私は大切なことだと思います。
認定日本語教育機関で働くために外国語ができたほうが良くなってくると思う
そうは言っても、すでに認定日本語教育機関の認定のために生活指導担当者の基準が明確にされてしまっている(通訳派遣会社との提携や、海外の仲介業者との連携、翻訳機器を用いるとったことは認められません)ので、これから認定日本語教育機関の認定を受ける学校は生徒の母語あるいはその他十分に意思疎通ができる言語による対応ができる教員や職員を集めなければなりません。
既に学校にそういう人がいるのであればいいのですが、そうじゃない学校もあると思います。
人材が確保されていることを確認する、とまで書いてあります。
どのように国がそれを確認するのかわかりませんが、何か資格の証明書を提出したりする必要などが出てくるのでしょうか。
これらを踏まえて、今後認定日本語教育機関で働くためには外国語ができたほうが良くなってくると思います。
現在、
日本語教師には外国語のスキルは必要ありません
外国語ができなくても日本語教師になれます
と言っている日本語教師の方や、養成講座の方が多くいます。
ですが、今後はその表現が変わってくるかもしれませんね。
外国語ができたほうがいい!採用に有利になります!!みたいな。
私もこれらの資料を読んで、やっぱり外国語の勉強はしておいたほうがいいなって思いました。
そのうち、英語をやり直したいなあって思いました。
学生時に比べてもうほとんど使えない状態です。
今TOEIC受けたら結構悲惨な結果になりそうなレベルです・・・(笑)
ただ、まだ認定日本語教育機関で働くことが決まったわけではないし、今のところは行政書士の勉強を優先したい。
これから認定日本語教育機関で働きたい!!日本語教師になりたい!!って思っている人は外国語の勉強もしていたほうがいいかもしれません。
きっとこれまで以上に日本語学校から重宝される人材になれると思います。
今回は「生活指導担当者」について詳しく書いてきました。
「生活指導担当者」以外についても「日本語教育機関認定法に関する資料を読んで思ったことがいろいろあるので、今後も記事に書いていこうと思います。
最後に文化庁のHPのリンクを貼っておきます。
皆さんも時間がある時にいろいろ見てみてください。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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