そして帰された。
きっと看護師さんは正しいと思う。
母親ということを充分加味してくれて、キャンセルすべきと伝えてくれた。
最後の最後で止められたけど、ここで止める勇気ってすごいなぁ。
受付がGoだして、さらに医師もGoを出して、本人も乗り気なのに止めるのだ。
あの看護師は仕事ができて、とてもすごいと思う。
私は50キロないし、病院でも採血で具合が悪くなったこともあった。
献血できない体質らしい。
献血
私ができない「献血」が身体にもたらす影響が気になったのだ。
献血が寿命を延ばすとする本を読んだけれど、男性と閉経後の女性に限った事のようにも思う。
献血をして寿命が延びるのなら優しい世界だ。
血を抜くという人体実験はすでに過去、世界規模で行われている。
「瀉血」だ。
瀉血について調べれば、献血が身体にもたらす影響を少し理解できるのではないか?
まずはトンデモ医学と認識されている瀉血を調べてみよう。
瀉血
瀉血というものが中世では流行っていたらしい。
床屋の赤青白のポールは動脈静脈包帯であるし、血を抜くという行為自体は民間に根付いていた。
瀉血が万能治療法と信じられた結果、35歳のモーツァルトは死ぬ前の一週間で医者に2リットルも血液を抜き取られた。
通常の瀉血は200〜400mlで、献血と同じくらいなのだ。
だから明らかに2リットルは血を抜きすぎている。
彼の義理の妹ゾフィー・ハイベルによると「医師が義兄に瀉血を行って頭に冷湿布を貼ると、義兄は見るからに力尽きて気を失い、その後意識を取り戻すことはありませんでした」という。
瀉血後24時間でモーツァルトは死亡した。
瀉血がトンデモ医療として認識されるのは、"万能治療として"広まったからであろう。
天然痘でも、癇癪でも、ペストでも瀉血で治そうとした。
それに、性欲を抑えるためにも使われた。
中国の皇帝やマリーアントワネットに対しても瀉血は行われていたし、それでもちろん治るわけではなく、死期を早める結果となった事例は枚挙にいとまがない。
しかし、「熱狂的に信じられてきた事実」はある。
なぜだろうか?
血を流さなくなった時代
ヒトは定期的に血を流すように作られているのだろうか?
おそらく答えはYESである。
まず妊娠出産である。
女性は毎月生理があり、妊娠中は子に血をわける。
出産でそれなりに出血をし、産後は母乳を出す。
母乳は血液なんだ。
その血だけで子どもを何ヶ月も育てる。
そして本来ヒトは7人くらい出産する生き物だ。
遺伝子はXX(女)が基本と考えると、ヒトの身体は出血を前提にデザインされていてもおかしくはない。
そして寄生虫の存在である。
こんなに衛生的になったのは本当に最近のことなんだ。
ヒトは様々な吸血寄生虫を飼っていた。
寄生虫と聞くと学生の頃に興味本位で立ち寄った目黒寄生虫館を思い出す。
寄生虫こわいなぁ。
昔は怪我や戦闘で血を流す頻度も高かっただろう。
つまり、衛生的で、出産も多くない現代社会。
血を流す頻度が減ったんだ。
けれども衛生的で血を流さないということは、寿命を延ばすことに大きく貢献している。
しかし身体は血を失うことに備えているんだ。
身体に備わっている機能をあまりに使わないと不調をおこす。
それはペットとして飼うウサギの、子宮を取って避妊しないと子宮ガンになってしまうのと同じようだ。
ヒトでも子を産まないと乳がんや子宮がんになるリスクが上がる。
血を作る機能を使わないとヒトへの影響があるのだろうか?
ホルミシス効果
寿命ハックという本の中で、ホルミシス効果という言葉がよく登場する。
チャットGPTにホルミシス効果がなんなのか聞いてみよう。
ネットでさらっとホルミシス効果について調べると「嘘」、「放射線、放射能」、「被曝」、「癌」などが出てくる。
その上、「仮説」である。
なるほどなるほど、、効果が検証されてない領域の上、放射能が絡むと触れづらい。
ここはwikiさんをちょっと読んでみようか。
↑論文も載っけておこう。
放射線は扱うには危険すぎるんだ。
ただ適度なストレスは生きていく上で欠かせない。
木ですら無風状態で育成すると枯れてしまうんだ。
寝たきりの人や宇宙飛行士の筋肉がすぐに落ちてしまうのは重量や運動というストレスが無いからであるし、頭脳も適度なストレスによって開発されていく。
ここでいいたいのは、献血はストレスであるということだ。
そして、抜かれた血を補充するために体内の鉄を使う。
鉄は血を作る上で欠かせない。
鉄分
私は女で、母親で、貧血だ。
だから20歳ごろから鉄分摂取を積極的に行ってきた。
フライパンを鉄製に変えて、鉄分のサプリを飲み、プルーンも食べる。
鉄は血液を作るにあたって大切な栄養素であり、健康にもかかわる。
今回読んだ本では「鉄が悪い説」を紹介していた。
おそらく摂りすぎ、または蓄積しすぎが原因であろう。
しかし一方で貧血が認知症を悪化させるとの研究もある。
金属類って摂りすぎてもいけないし、摂らなすぎてもいけない。
難しいよね。
さいごに
「瀉血に医学的根拠は無かったと考えられている。」
私は本を読むまで血を抜く行為は身体にとって良くないと思っていた。
そして読んだ後の今でも、ちょっとよくわからない。
それは実践していないし、出来ないからだ。
今回献血ルームに赴いて理解したことは、50キロ未満の人ができる献血は成分献血ということだ。
成分献血は赤血球を身体に戻して透明な液体のみを抜くものだから、鉄分を減らすことはできない。
鉄分についてはもう少し違う本を読みたい。
何が良いのか、何を信仰するのか。
献血は確実に身体に負担がかかる。
それがいいのか悪いのか私には解らなかった。
子育て中の女性にとっては負荷がありすぎるのだろう。
ただ、定期的に献血するグループの方が長生きするという研究結果もある。
成分献血とは血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法だ。
献血をするということは血漿が減ってしまって老化が進むように思うが、身体は体内環境を元に戻そうと生産量を上げる。
生産する力を負荷をかけて鍛えるという意味で献血を勧めていたが、負荷に耐えうるかどうか、体調や性別、生活環境などをしっかり考え、周りと相談して行うといい。
たとえ効果がなくても、誰かを救う血液になるかもしれないところが献血の救いである。
おわり