南の島に農業をしに行ったら場末のスナックで働かされることになった話
ひとり南の島の空港に降り立った。機体と空港をつなぐ、あの蛇の腹みたいなもので覆われた通路に出たら、湿った空気が肌を包んだ。湿気。服を一枚脱いで、腹に結び付けた。荷物は、黒々と光った安っぽいビニールでできた大きなバッグだけ。タイヤが付いたキャリーは可動性が悪くて好きじゃない。重いバックは肩に食い込み、汗ばんだ皮膚に吸い付く。
唯一都市部に走るモノレールで、予約した宿に移動する。今日は港の近くで一泊する予定だ。インターネットで予約したから、部屋と外観の写真しか見ていない。地図を