○タイトルをどうするか #本が出るまで 11
タイトルは本の売れ行きを決めることもあるくらい、大事なものですが、それだけに良いタイトルはなかなか思いつかないものです。
原稿から手が離れそうな頃合いになると、タイトルのことが一日中、頭から離れなくなります。
今、三月発売のタイトルを必死に考えています。目の前の壁にタイトル案を印刷した紙が何枚も貼ってあります。
(『ゴシック』という仮案はありますが、もっと良いものはないかと悶々としています)
タイトルは作者だけではなく、出版社との相談になります。作者の思い入れに走ったタイトルは往々にして売れないようです。 編集部や販売部門の人たちは、これまでの販売実績から、売れそうなタイトルはわかるのでしょう。 それでも、できるなら良いタイトル候補を考案して、「これでいきましょう」と言ってもらいたいと思って考えるのです。
検討する上のポイント
もちろん、読んでみたくなるかという一点です。
・書店でのインパクト
店頭で見た時に、並み居る有名作家の作品と並んでいても目に止まるか。意識に引っかかるようなワーディングになっているか。
・SNSで目を引くか
本になれば装丁の良さで救われることもありますが、SNSなどでの情報は、基本、文字のみ。単一の色、書体でも目立つか。
・耳にした時の引っかかり
喋り言葉、テレビ、ラジオを何気なく聞いている時、音声でも頭に残るか。言いやすいか。
・小説のテーマを表しているか
文字通りの意味以外に、小説のテーマに関わってくる意味を与えられるか。もちろんネタバレにならないように。
・ダブルミーニング
読んでみて気づく、もうひとつの意味があるか。読後の満足感にタイトルの驚きを提供できたら、そのタイトルは素晴らしい。
さて休憩できたので、もう一度考えます。
それでは。