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創作の旅を続けていきましょう。

note創作大賞に応募した『紫に還る』には、多くの方から感想をいただきました。あらためて感謝いたします。

今日は『紫に還る』のテーマ、核心となる部分について言及していただいたお二方の感想を、コメント欄から引用という形で紹介させていただこうと思います。

花丸恵さん

敵だと思っていたものが、実は自分たちにとって必要なものだった。紫草に苦しめられ、竜を恐れていた人々がそれらを受け入れ新たな循環が始まる。新世界の始まりは、いつも困難が伴うものですが、その中で生まれた友情や愛情が、希望につながるエンディングだと思いました。人々の歴史は伝言ゲームのようなもので、どこかで伝え方を誤ったり、その時代や権力者たちの都合で、意図的に書き換えたりされると、その歪を元に戻そうと揺り戻しが起こる。紫に還るは、そんな揺り戻しの中にある物語だったのだと感じました。ハッポが賢くてかわいくて、物語の中に壮大さと愛嬌を与えてくれる不思議な存在で、最初は荘厳な、それこそ鱗がメキメキした竜を想像していたのですが、だんだんとぬいぐるみみたいに可愛らしい姿に私の中の想像が変化してしまいました。ハウス世界名作劇場でアニメ化されたものを見ているような、そんな気分になって、懐かしさを覚えました。

酒本先生、本当に執筆お疲れさまでした!

酒本より

花さん 『紫に還る』の核心に触れる言及、ありがとうございます!
「揺り戻しの中にある物語」確かにそうですね。ストーリーを「新たな循環」にしたのは単純な善悪で割り切れる話で終わらせたくなかったのです。
(それも含めてnote創作大賞のために、この小説に施したいくつかの試みは、noteの読者が小説リテラシーの高い人たちだと思ったからでした)

ハッポが可愛いと、言ってくれる方が多くて嬉しいです。私も頭の中で、だんだんポケモン風になっていくので困りました。
花さんも お疲れさまでした。

豆島 圭さん

素晴らしかったです!ギリギリになってしまいましたが読めて良かったです。仲間たちとの微笑ましい会話から、不気味な敵(かどうか分からない存在)、自分の能力に気づいた戦いのシーンや、裏切りや。そして何と言ってもタイトルの意味!!その謎というかテーマが解き明かされたときは思わず声が上がりました。「還る」話はもちろんなのですが、その前の「恨みや怒りを抱えたままでは道は行き止まり。未来に進むためには許すことが必要」という部分にも唸りました。

今まで、ファンタジーに馴染みがなかったのですが、ファンタジーというのは設定が現実と違うというだけで、その核心は今を生きる私たちに必ず通じていて、学ばなければいけない物語なのですね。それが子供にもわかりやすく心に染みるように描かれている。…素敵!だからファンタジー作品って大人にも子供にも人気なのですね、と今更納得です。

ですが、ですが!これは「壮大なプロローグ」ですよね! ここからカンターの旅が始まるのですよね! 謎も課題も残っています。二人が無事結婚する日が訪れるかどうか!これは長い長い物語になりそうです!ラストに悩まれたようですが、私は「大興奮」です!!

前半のタウ・ワンとの戦いのシーンが本当に映画を観ているように再生されて興奮したこと! 後半の戦いもですが、ドームや蔦も、美しい映像と音(群衆の声や効果音)が再現されてました!ファンタジーの世界なので、実物を見たことがあるわけでもないのに再生されるというのは、難しい表現でもないのに的確な言葉選びがなされているからなのだろうな、と、あとで文字を追って読み返して納得していました。勉強になりました。

酒本より

豆島さん こんな長い小説にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
どんどん「スキ」がついていくのを、そわそわしながら見ておりました笑。
「恨みや怒りを抱えたままでは道は行き止まり。未来に進むためには許すことが必要」
この一文を考えついたときに、カンターたちとハッポ、紫草の世界の姿が描けたように思いました。「大興奮」ありがとうございます! 迷ったけれどこのストーリーにして良かったです。

花さん、豆島さん 
ありがとうございました。勇気が出ましたし、気づきももらいました。
お二人に示唆していただいた、エンディング、ラストが、次に繋がるといいなあ、と思っています。

ほかにも、たくさんの感想をいただきました。本当にこんな長編を読んでいただいて、みなさんに感謝します。もう少しコンパクトにすれば良かったと今さらながら思っています。

今日は8/1。
読者応援期間も終わって、note創作大賞は一区切りがつきましたが

創作の道は目の前にどこまでも広がっています。旅を続けていきましょう。

酒本歩




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