WBCも早いものであと三試合!
オーストラリアを破ったプールAのキューバと、プールD一位ベネズエラを破ったアメリカが対戦します。
政治的な話は抜きにし、シンプルな戦力分析から、見どころを探ります。
打撃
平均系の成績としては、見た目上に大きな差はありません。ただし、積み上げ系を見ると、アメリカが HR 6、三塁打 4 とトップクラスの成績に。苦戦したプールCを経て、調子を上げてきたことが分かります。
投球
準々決勝前までは日本、ドミニカ共和国に次ぐ投手成績を誇ったキューバ。その位置付けは変わっていないのですが、アメリカも徐々に調子を上げてきました。前回の記事で、アメリカは奪三振がやや控えめといった趣旨を示しましたが、ベネズエラ戦を経て奪三振も伸びました。今やキューバが勝っているのは、通算の防御率と被本塁打で、K/BB ではアメリカが上、という状況になっています。
展開予想からくる見どころ
以上の要素から、これまで安定した成績を残しているキューバの投手陣が、調子を上げてきたアメリカ打線をどう抑えるか?これが焦点になりそうです。ただし、キューバにとって幸いなのは、アメリカのブルペン陣は準々決勝だけでなく、プールCでもそれなりに登板している、という事実。夏場ならいざ知らず、春先のこの時期にリリーフが何試合も調子を維持できるか、と考えると、キューバが付け入る場合は試合の後半と言えそうです。
従って、バチバチに手が合った展開になれば、①序盤はキューバ投手陣が踏ん張れるか、②接戦のまま終盤のアメリカリリーフ陣に立ち向かえるか、の二点が見どころと考えます。
みどころから考える注目選手
予告先発は既に発表されており、アメリカがベテランのアダム・ウェインライト (Adam Wainwright)、キューバもベテランのロエニス・エリアス (Roenis Elías) とベテラン対決に。
つまり前項①に照らし合わせれば、エリアスの出来とその後の継投が①の焦点と考えます。
①序盤はキューバ投手陣が踏ん張れるか→ロエニス・エリアス (Roenis Elías)
②接戦のまま終盤のアメリカリリーフ陣に立ち向かえるか→ルイス・ロバート (Luis Robert)
また、キューバが終盤に立ち向かうだろう、起用の可能性が高いアメリカのリリーフも紹介します。
デヴィン・ウィリアムス (Devin Williams)
補足すると、今大会で守護神的な役回りをしているライアン・プレスリー (Ryan Pressly) は既に三回登板しており、優勝まで見据えた場合に休養を優先する可能性が高いです。
投球回数を考えると他にも、スライダーが特長的なアダム・オッタビーノ (Adam Ottavino) や、純粋なフォーシームの無いクセ球のケンドール・グレーブマン (Kendall Graveman) なども登板し、デヴィン・ウィリアムスはクローザー的な起用と思われます。
その為、デヴィン・ウィリアムスに加え、その前に登場する投手にキューバ打線がどの程度食らいつけるかが、見どころ②の焦点と言えるでしょう。
何かと因縁深い両国ですが、政治的なものを取っ払った、熱い勝負なる事を心より願って、見どころまとめを終了したいと思います。