詩:『神経過敏性消耗症候群』
『神経過敏性消耗症候群』
「それなら貴方にとっての世界の暗喩は
豊かさを齎すH₂Oの量子的波長なのね
千変万化の被造物を趣で満たしてゆく」
なるほど君は優しく微笑んだけれど。
穏やかな気持ちになれるのは、
窓からソファに、朝日が射すからで、
虚しさを感じれば、雲が影差すような、
こちらへ寄ってきたので、
世界平和の兆しと喜んだのが、
実は飢えただけの白い鳩のような、
君が先ほど微笑んだ世界が僕にも、
豊かな暗喩だと感じられるような、
そんなタフさで君を愛せたらなァ。
他の男と楽しそうに会話をしないで。
他の男と意味ありげな視線を交わさないで。
他の男と手を繋いで行ってしまわないで。
「それなら貴方にとっての世界の暗喩は
窒息を齎すH₂Oの量子的位相なのね
気まぐれに貴方の息遣いを浸蝕してゆく」
なるほど君と激しく抱き合ったけれど。