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【詩】竜と龍(幻獣詩篇:9:10)

【離縁】
ティラノサウルスやトリケラトプス
プテラノドン等 ドラゴンの祖先どもが
草原や空に悠然と幅を利かせながら
おれは おれは と息巻きながら
緩慢な血流を滞りなく妻に注ぎ込む

全てが他者に調律された
ただの夢に過ぎないという
形而上学的な感じかたを
妻は尊重してはならない何故なら

死ぬからだ

【結納】
八百万やおろずの神々が生まれる以前から
たつの祖先たちは荒れ地を徘徊し火を吹き
砂漠ではハンミョウが嵐を起こし
わたしは わたしは と呻きながら
菖蒲ショウブヨモギ等 刀や毒類をむさぼり喰う妻

全ては自然という豊かな存在が
あらゆる行為を包摂するという
自然科学的な伝統の言説に
妻はのっとって考え続ける何故なら

在るのだ

ひつぎ
広い庭で死と存在の霊園を二つ築けば
妻は新たな系統を孕んだ事実を知る
離縁状と結納品を大切にひつぎに収めれば
竜も龍も妻が待ち望んだ一卵性と成る

われわれは われわれは



新年明けましておめでとうございます。
今年の干支で詩を作ってみました。
若干言い回しがおかしい部分がありますが、
敢えて違和感をフックとして使う効果と、
形式とリズムの気持ち良さを優先しました。
みなさん昨年はお世話になりました。
noteに投稿しnoteの投稿を読むこと、
私の生活で最も喜ばしい行為となっています。
今年もよろしくお願いします(˶ᐢωᐢ˶)

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