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詩:『宝石』
『宝石』
老後に美しい人こそが
本当に美しいという表現に
値する人生を生きてきた人だ
歳をとる程に刻まれた人生の質は
その人の佇まいに表れてくる
それは社会的な成功者や
路上生活者にも見出せる類の
人間の本質的な美しさだ
ある浮浪者は笑った
その男には歯が無かった
全部売っぱらってやったんだ
愛した女を養うために
子供は出来なかった
いつか女は去っていった
俺はそれで満足なんだ
俺は俺を誇りに思う
俺は人生の勝者だ
本気で女を愛したからな
歯を全部売って醜くなって
それで嫌気がさして
女は去ったのだった
女は老いてからというもの
その男のことしか思い出せない
彼女もまた老いてから
美しい人であった
当然だあの男が全力で
愛した女なのだから
老婆よ美しくあれ
しわしわの肌と
軽くなった骨と
白くなった髪と
数々の経験と思い出を
海のように内面に秘めて
宝石を投げ捨てて逝け
かつてあなたが恋をした
あの男が階段で待っている
あなたは満場の拍手のなか
男のエスコートにより
登ってゆくのだ
久しぶりに「タイタニック」を見てラストシーンに感動したのです。おばあちゃんになったローズが可愛すぎて。。。パクりではありません。リスペクトから発生したオマージュです(オマージュです)。
でもジャックみたいな男、現実にはいないですよね?みたいな思いも詩に反映されました!すみません!!