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【論詩】抹消
異端を持て囃す風潮は
異端の価値を貶める
あらゆる既知の情報源は
あらゆる革命を絶滅させる
もの珍しさは革命に及ばず
何でも有りはカテゴリ不可だ
既成概念外の詩は今や
この世界には存在しない
価値の矮小化によって
詩人は物理的に飢える
飢える苦しみそれ自体さえも
矮小化しひっそりと死んでゆく
篩にかけても廃棄物しか残らない
篩自体が既に廃棄物だから
権威付けを経て詩は熱的死へ
現状の救いは毎日死者が去り
まっさらな者が生まれること
死者をリサイクルした詩が
新しい者たちには革命に見える
本当の死は私たちが不死を獲得した時
その世界で詩人は全て語り部に過ぎなくなる
既成概念化……網羅化……普遍化……
かくして詩は存在を抹消された