
詩:『ネクロマンサー』
『ネクロマンサー』
今日も命の価値が重い
もとい……躰が重い
朝ごはんを食べて
満員電車で汗ばんで
出社QRコードをピッ
デスクでExcelを起動して
あなたは今日は外回り?
あなたは今日はコールセンター?
この会社って何の会社だっけ?
このお弁当誰が作ったんだっけ?
裏で糸を引いている者がいる
世界にオーバーロードが数人いて
既得権益で富を独占している
「それは質の悪い陰謀論です!」
「あなたは不真面目な労働者です!」
世界の隙間からチラリと覗いた
入れ子状の4次元空間を
わたしは忘れることにした
退社QRコードをピッ
終電でくたびれて
晩ごはんを食べて
今日も命の価値が重い
さぁ……お風呂お風呂
※(注)この詩はフィクションです※