母という呪縛
読んだ。
前読んだ「大いなる誤解・親子が殺し合わないために」の筆者のように親に職業を決められて、
とことん追い詰められて、
「自分が死ぬか、母親が死ぬか」
のどちらか2択しか選択肢がなくなった人の話。
「大いなる誤解〜」の筆者はどうにか自分も親も殺さずにすんだけど、
母親を殺してしまったのが、この本の主人公だ。
9年も浪人を強いられて誰にも相談できず、何回も逃げ出そうとしたのに捕まえられた。
主人公のいうように、この母親はモンスターそのものだ。
そもそも30年もべったりとした母と娘を演じていれば、それが異常な関係であることは認識しにくい。
主人公は、モンスターも殺してしまったけど、それによって自分の人生も壊されてしまった。
わたしの母親も自分の価値観の押しつけと指図だけはしてきた。
小さい頃から
「手に職をつけなさい」からの
「あなたは看護師になるのがいいと思う」
「公務員はいいわよ」
と散々言われた。
わたしは母親がわたしに敷こうとしたレール、
「看護師」に適性があるようには全く思えなかったので完全にスルーしたし、スルーすることができた。
一人っ子じゃなかったからだ。
あいにくというか、ありがたくというか、きょうだいがいたおかげで、ターゲットがわたしだけにならなかった。
母親は家のお金のやりくりと、まだ小学校・幼稚園の妹と弟の面倒をみるのに精いっぱいだった。
わたしはお互いを殺しあわずにすんだ。
わたしがもし一人っ子のままだったら、この本のようになっていたと思う。
子どもが自分のすべてであり、自分の望みを子どもを通じて叶えることが幸せだと勘違いしてしまった母親と
子どもの進路について何も言わない、言えない父親。
多少本の主人公とは違うが、構図は全く同じだ。
「どうして親はわたしの得意そうなことは何かを一緒に考えたり、伸ばそうとはしてくれないのか」
当時は親の言うことが絶対で、自分で自分のことを考えることを封じられていたので、考えもつかない、思いもつかなかったが、心の奥底にはこのような疑問があって、今までふたをしていたように思う。
わたしは地元ではそれなりな中高一貫校に通っていたが、中2を過ぎたあたりから脱落した。
「受けろ」と言われてやる気もなく受けた公務員試験はもちろん落ちた。
わたしはどうすればいいのか、何がしたいのかわからないまま受験のシーズンを迎えていた。
具体的な進路について相談に乗れるような人たちではなかった。
国語だけなら東大でも狙えるくらいだったが、他がさっぱりだった。塾には行ったことがない。
国公立に入るための英語も数学も諦めていたところに、指定校推薦の枠に転がり込むことができた。
それが、わたしの人生のターニングポイントになった。
この本の主人公のように追い詰められずにすんだ。
ホントにラッキーだったとしかいいようがない。
その後、親から離れることでようやく機能不完全家庭に気づけたし、親が有毒だったことも理解できた。
相談できたり、ただ話を聞いてくれる人もいる。
noteに吐き出し、解毒と再建も進んできた。
ここなら同じような、仲間がいる。
先日も「毒親育ちは、すでに親孝行の前払いが済んでいる」という言葉に勇気づけられた。
毒親と呼ばざるを得ない親が存在して
毒親に育てられて苦しんでる人がいる
少しでも世間に広まりますように。
殺したり殺される前に毒親育ちに気づけますように。