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心理的距離 -会食と家族-

1.会食によって心理的距離が縮まるのはなぜ?

友人や職場の人とただコミュニケーションをとるだけでなく、そこに「食事をともにする」という要素が付加されると、なぜ心理的距離が縮まるのでしょうか。

食事という行為自体になにか秘密がありそうだと思い、以下のように考えてみました。まず食事は日常的・家庭的であり、安心感や親密さを感じやすい行為です。この効果は、食事以外の行為、例えば一緒にお風呂に入ることや旅館に宿泊することにもみられるでしょう。一緒に旅行に行くと距離がグッと縮まるのもこれによって説明できると思います。

次に食事を共にすることで、お互いの人となりを自然な形で知る機会が増えるということも挙げられるでしょう。学校や職場ではある種対外的な態度をとることになりますが、食事というプライベートな行為を取り入れることによってその態度にも変化が生じ、自然な態度(フランクな態度)で接することになるので心理的距離が縮まるのではないでしょうか。

2.人間関係において、家族が最も心理的距離が近いのはなぜ?

家族は、個人のアイデンティティの原点です。自身の成長過程や価値観の形成において、家族との関係は大きな影響を与えます。そのため、家族との絆は他の人間関係に比べて特別であり、深いものとなります。

また、家族には「単純接触効果」が最大限に発揮されます。家族と日常的に繰り返し顔をあわせることで、好意や親近感が増し、心理的距離が非常に近くなるのだと考えられます。


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