ワールドカップで憧れた“サッカーに関わる仕事”へ
中学生の時に見たサッカーのワールドカップ南アフリカ大会を機に「私もサッカーに関わりたい」と思うようになったと話す平山 桃子(ひらやま ももこ)さん。調べていると、栄養士が選手をサポートしていることに気づき、進路としてもその選択を考え始めます。
高校で務めた陸上部のマネージャーでも、スポーツ選手を支える楽しさを実感。大学では栄養士資格が取れることはもちろん、少しでもスポーツ選手に関われる環境を探し、女子栄養大学へ進学しました。
現在はJリーガーの専属栄養士として活躍する平山さん。夢を叶えるまでの道筋をお聞きしました。
現在とこれまでの働き方
自己紹介をお願いします。
平山桃子です。現在は週5日、栄養関連の会社で働きながら、J1リーグでプレーするプロサッカー選手の栄養サポートを担当しています。
現在はどのようなお仕事をされていますか?
昨年の10月から、特定栄養指導を担う会社で働いています。特定健康診査(メタボ健診)によって生活習慣病の発症リスクが高いと診断された人、なかでも生活習慣の改善が予防効果に繋がると期待された方に対し、食事や栄養摂取に関する指導を行う立場です。
その仕事の合間を縫って行っているのが、プロサッカー選手への栄養サポートです。選手のご家族とも情報を共有しながら、食材の買い足しや夕食の調理、作り置きの準備などを行っています。
前職はどういったお仕事をされていましたか?
大学を卒業して最初に勤めたのは、委託給食会社でした。入社当時は東京オリンピックが予定通り開催される見込みだった頃。その仕事へ絡めるチャンスもありましたし、他にも学生寮の食事に関わる部署もありました。大学時代に箱根駅伝へ出場する選手のサポートをしていたこともあり、会社員になっても引き続きスポーツの世界へ接点が持てればと考えていたんです。
学生時代
学生時代に学んでいたことを教えてください。
高校生の時点で既に栄養の側面からスポーツ選手を支えていきたいと考えていたので、大学は栄養学が学べるところで、かつ近くの駅伝強豪校で実践が積めると知った女子栄養大学を選びました。
駅伝部のサポートは、時に始発で来て終電で帰る日もあったほど、多忙そのもの。決まりごともあって、状況に応じたアドバイスや自分なりの工夫はなかなかできませんでした。
ただ、そこでの調理の経験は今の作り置きにも活きていますし、授業でもスポーツ栄養を学ぶ機会がありました。そこにも選手が来てモデルケースにさせてもらえたり、地元のサッカー少年団とも交流できるサークルもあったりと、学習環境には恵まれていたと思います。
働き方について
今の働き方を選んだ経緯について教えてください。
委託給食会社に勤めていた頃にAscendersに出会って、本格的に栄養指導やフードマネジメント(栄養価計算から食事の提供まで)の勉強を始めました。
ただ会社も出社するスタイルが前提だったので、このままの働き方で続けるのは難しいと痛感。一度フリーランスになり、業務委託で栄養指導の仕事をしながら、スポーツに関わる形を取りました。
昨年10月から今の会社に入り、スポーツ選手のサポートと両立する道を選んだのは、安定を求めたことが大きいかもしれません。栄養士の資格があるからと言っていきなりスポーツ一本は難しいですし…。幸い今の会社はリモート勤務が基本なので、体力的には問題なく続けられています。
お仕事をする上で印象に残っていることはありますか?
今担当しているプロサッカー選手は、奥様とお子さんがいらっしゃる家庭で、奥様からお子さんのことで相談を受けることも多くあります。
前任でいらっしゃった方は病院での栄養士経験があり、母子栄養にも詳しかったのですが、私にはそうしたバックグラウンドがありません。広く括れば“栄養”とは言え、特に最初は専門的な知識が追いつかないのを感じていました。
ただ選手はもちろん、奥様も非常に熱心な方で、よく勉強してきてくださいます。献立につけているちょっとしたコラムも読んでくれて、質問をしてくれることもあるんです。そうした姿勢には私も精いっぱい応えたいと思って毎週サポートに臨んでいます。
運営しているAscenders株式会社について
Ascendersとの関わりは?
コロナ禍のときに自宅でできることを何かしようと、スポーツ栄養に関するSNSアカウントをつくったことがありました。するとそれを見たAscendersのコミュニティの方が連絡をくださって。ちょうど出身大学も同じ先輩だったのもあり、意気投合して私もそのコミュニティに入れていただくことになりました。
今のプロサッカー選手へのサポートも、Ascendersから紹介された案件で前任の栄養士の方から引き継ぎましたし、その方からマンツーマンで必要な知識を教えていただくこともあって、こうした縁には感謝しています。
これからスポーツ栄養士を目指す人へメッセージ
最後に、これから同じ道を目指す人へメッセージをお願いします!
私が「これをやっておけば良かったな」と思っているのは、学生時代からSNSを始めて情報収集をしておけば良かったということです。
今思えば学生の時って時間がありますし、何か興味のあることがあれば話を聴きに行くことも、学生の特権で見学させてもらうことも、場所によっては可能かもしれません。大学の中で培えるものが大きいのはもちろんですが、当時の時間と行動力を使って外の世界も広げておけるといいのかな、と思います。
アセンダーズカレッジで学びスポーツ現場で活躍する栄養士のインタビューです
アセンダーズカレッジについて
それぞれのキャリアにあった個別相談についてはこちら