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役員インタビュー「A-Co-Labo立ち上げのきっかけとこれからについて」 ~総集編~

今回は役員インタビューの総集編!
引き続きインタビューは現在A-Co-Laboでインターンをしている藤堂がお届けします。
今回はA-Co-LaboのCEO原田久美子さんにインタビューしました。原田さん自身のことやA-Co-Laboのあんなことやこんなことにお答えいただきました!!



〜企業編〜「企業側の気づいていない可能性を広げる」はこちらから↓

〜研究者編〜「研究者のキャリアに新たな選択を」はこちらから↓



A-Co-Labo CEO

代表取締役CEO 原田久美子(Harada Kumiko)

1980年島根県生まれ。鳥取大学大学院博士前期課程修了。修士(工学)。東京応化工業株式会社にて半導体用フォトレジストの開発に従事。その後横浜市理科支援員を経て、2016年から慶應義塾大学に所属、研究員としてドローンを用いたプロジェクト型学習の研究を行い、延べ700名の学生と未来を考える学びを創る。ライフテーマは「次世代へ学びを繋ぐ」こと。




研究のきっかけ

工学研究科を修了されていますが学生時代から研究者の道に進むことを意識していましたか?

4年生の時には白衣を着る仕事につけたらというイメージしかなく、大学院に入るぞという明確な思いはなかったですね。私が就活の時代は、就職氷河期世代であったこと、学卒では研究職に就くのが難しいことが分かり、急きょ大学院進学を決めました。

なにかきっかけになることがあったのですか?

化学がすごく得意科目だったわけではないのですが高校時代の実験が面白くて、興味を持ちました。ナイロンを作る実験だったのですが“何もないものから糸ができるってすごい!!”と思い、さらに先生の白衣に憧れて、白衣を着るお仕事がしたいと思ったのがきっかけです。
私は地方出身、親も公務員、昔の考えが根強い中で育ちました。
女の子だからできれば近くの大学に行って地元で就職して欲しい、将来は教師になってくれるとと言われていました。
教員免許が取れて自分が興味があることということで化学系の学科を選んだのですが、就職活動の時に何が1番残ったかと言うと、“やっぱり白衣を着てものづくりの仕事に就きたい”でした。

それだけ原田さんの中では憧れだったのですね!

一般職や事務職など文系のお仕事も受けたりしたのですが、何か違うなという違和感がありました。4年生の時は就職は全滅だったので、大学院にいきながら0を1にする仕事って面白い!と思い、研究者以外は考えられなくなりました。2年後は研究職一本でした。
大学には残りたかったのですが、当時お金もなかったし、この分野でずっとここにいていいのかという不安もあり、世の中に出て新しい何かを作ることに携わるという道を選択しました。

研究者の道は不透明ですが、迷ったり不安な想いを抱えながらも…ということですか?

当時は大学の研究者というイメージがわかず、残ることへの不安があったのかもしれません。
一方で企業の研究員は正直言うと迷いはなかったです。企業という大きな傘の中で守られていることへの安心だと思います。企業研究職は時にやりたい仕事ではないことも担当することありますが、その中でも自分がやりたいこと、それによって企業の利益に繋がる様なことをずっと探していて楽しかったです。

大学に戻った時はどう感じましたか?

年もとって、ライフステージにも変化があるので、純粋な比較にはならないですが、自分のやりたいことが出来る場って楽しいと思いました。
ただそこには責任とか色々なものが伴う。何かを犠牲にしなければ突き詰めたいことは出来ないので、研究者は不安定な職業だな思いました。
でもトレードオフの関係でいいのかなと思ってもいるし、自己犠牲のもとに成立する研究ではなく、自分の幸せもできる限り両立しながらやっていく術はないのかなと思ったのが、A-Co-Laboのきっかけになったと思います

女性がアカデミアの世界に進むというのは抵抗があるというか…婚期が遅れるという様な言い方をされたりもする中で学生時代にその部分で不安に思ったことはありますか?

学生時代に親にもそのことを言われ、不安になりました。
しかしこの問題はアカデミアだけの問題ではなく、女性が社会に出る時、でた後も絶対に付きまとう問題だと思っています。
なぜ女性だけがこの問題に向き合わないといけないのかというのは今でも感じています。
ただ、今はライフステージが変わっても女性も活躍できるフィールドが整備されつつあります。研究業界こそ女性研究者が働き続けられるフィールド整備が重要だと思っています。

当時のことを更に具体的に教えて下さい。

大学生で就職活動していたのは約20年前になるのですが、“結婚したらどうしますか?”という質問はほぼ100%ありました。今だと大問題ですよね。
合わせて、研究職で女性はとっていないという風に言われたりしたことも。当時は“そういう風に仰る企業で仕事をしたいと思いません”と返してしまっていたりしたのですが、今になると企業側の気持ちが分かるところもあります。やっと一人前となった時点でやはり抜けられると難しい部分はある。
ただ両立出来る様な環境、制度を作るのは、企業もアカデミアも必要不可欠だと思っています。生活も仕事も両立できる環境構築が重要です。

制度とは具体的にどんなものですか?

復職後に働ける環境は必須ですが、ライフステージの変化によりブランクを生じた場合でも、働けるような採用制度、勤務環境、リスキリングなどの仕組みや、学びたいと思った時に大学に行ける補助制度など、言い出したらキリがないですね。制度や仕組みを変えれば、培ったスキルを活かせる場はたくさんあると思っています。
A-Co-Laboはみなさんの研究スキルを社会に活かすPoCの場になればと思っています。


・・・

A-Co-Laboについて

CICにて撮影した写真

A-Co-Laboの研究進捗のサポートについて詳しく教えて頂きたいです。

A-Co-Laboは事業課題と研究スキルをつなぐナレッジシェアのサービスを行っています。ビジネスと研究の視点の違いをできるだけ減らすため、プロジェクトにはA-Co-Laboの担当者がつき、併走支援でサポートしています。
視点のずれはアウトプットに直結します。
いまいち結果に繋がらなかったということはNGです。
両者をお引き合わせしてあとは頑張ってねということではなくて、ビジネスも研究も見れる第三者がいることによってズレをその場でフォローできると考えています。

A-Co-Laboではなぜ研究者の正規雇用という形ではなく業務委託という形で研究者と企業を繋いでいるのですか?

パートナー研究者や技術者が、研究で何かしらの職についている人達であること、今すぐ就職や転職を考えているのではなく、社会実装やスキルを活かすことに興味がある方が多いことから、複数の仕事に関わりながら世の中を見ることができる環境ということで、副業という形からスタートしています。

A-Co-Laboの強みを教えて下さい。

A-Co-Laboの強みは、R&D出身の担当者が事業課題に合わせてスクリーニング、カスタムで提案し伴走支援するところです。
課題に合わせて、研究者の知見をスクリーニングする、その際に専門知識以外のスキルや特性なども含めて検索できるのが面白いと思っています。

というのは‥‥?

一般的に、研究開発の課題で検索を行う場合、直接的な一分野、キーワードで研究者を探しがちです。そうすると、本来課題解決に必要な人材を見落としてしまう可能性もあります。
A-Co-Laboは課題の本質をしっかりヒアリングし、独自のキーワードを盛り込みながら検索、提案をしています。
A-Co-Laboは登録している研究者の分野も年齢層も様々です。
また登録時に働き方や興味があることなども聞いています。その部分も踏まえながらプロジェクトチームを組んでいくのは他社にはない強みかなと思います。
研究者からしても自分の専門分野の知識が活かせるだけでなくて、研究経験から培ったもの、思考、やり方をビジネスにどう活かせるかをチャレンジすることは将来のキャリア形成を考える上でも有効ではないかと考えています。

企業と研究者を繋げるにあって原田さんが意識していること、大切にされていることがあれば教えて下さい。

ざっくりと言うと、きちんと翻訳するということです

翻訳する‥‥?

研究者が話す言葉、ビジネスで話す言葉は同じ日本語ですが、伝わらないこともたくさんあります。
ビジネスの課題を研究に置き換えるとどういう風になるんだろうと考えて伝えること、研究ノウハウをビジネスに置き換えるとどうなるか、つなぐだけでなく翻訳することはこの仕事をする上でとても気をつけています。
事前にどれだけの情報を伝えられるかというところも今後進めていく上ですごく重要です。私たちがしっかりとヒアリングをし、互いに気持ち良くスタート出来る様に意識しています。

今後どんな研究者に登録して頂き、どんな企業に利用して頂きたいですか?

研究者には少しでも社会にノウハウを生かしてみたいと思っているなら登録して頂きたいです。
専門性の高い課題を抱えていて、第三者の意見を聞きたい、研究者のノウハウに興味がある企業の方とどんどんお話ししたいです。
課題が明確でなくても一緒に考えていくというスタンスをA-Co-Laboではとっているので、構えずにお話いただければ。

CICにて撮影した写真

今年の10月1日で設立して1年になりますがこの1年は原田さんにとってどんな1年でしたか?

地獄でした(笑)。
わからないことへの挑戦の苦しさ、ゼロからイチを作り上げていく大変さを学べました。
A-Co-Laboに関わってからの1年はすごく成長できたと思っています。
まだまだ立ち上がったばかりなので、もっと成長しなければですが。

このコロナ禍で立ち上げたことへの不安や葛藤はありましたか?

めちゃくちゃありました。
顧客ゼロ、営業なんてどうしていいか分からないという所からのスタートであるにも関わらず、会えないとなるとどうしたらいいの?と思いました。
コロナ禍で副業という働き方がメジャーじゃない日本で、しかも研究者をビジネスの現場に・・・この状況で立ち上げようと思う企業ってどのくらいいるのだろうと思ったのですが、やるなら今しかないと思いました。

なぜ今やるしかないと思ったのですか?

困難な状況だからこそ、共創とか協業という形の働き方は今後絶対増えてくると思ったからです。
今このタイミングでやらなければ私達がA-Co-Laboという研究者集団を抱えた会社をやる意味ってないよね、と。

・・・

今後について

これからA-Co-Laboで挑戦したいことがあれば教えて下さい。

A-Co-Laboに登録してくださっている研究者達がスキルを活かせる場所をもっともっと作っていきたいです。
ちょっと先の未来では、A-Co-Laboでの新しい働き方や社会を知る機会を得た研究者達が、これからの研究者スタイルを形成したいと思ってもらうことです。新しい研究者の働き方として研究も研究者もブランディングしていきたいです。
もっと先の未来では、A-Co-Laboにいる研究者達が集まって新しい研究テーマが生まれたり、企業の眠っている技術と掛け合わせてA-Co-Labo内でプロジェクト進行できるようなプラットフォームができれば。
A-Co-Laboの良さは様々な分野の研究者が集まっている点だと思っています。
一つのテーマを一つの専門分野だけで研究をするのではなくて、一つのテーマに様々な分野の研究知を掛け合わせる、その様な場を民間企業として作っていけたら面白いなと考えています。

面白そうだし楽しそうですね!!

純粋になんか楽しそうじゃないですか。
研究者が集まってワイワイやってあーでもない、こーでもないとしている場を見たいなと思うし、なんなら私もその中に入って意見を言いたい。
世の中でPh.Dと書かれた名刺を持った人にどれだけ会うかというと、ほぼほぼ会わないです。でも研究者に会うこあが当たり前になったらいいなと思います。
これは研究職に囚われるだけでなくて“こんな会社のこういう職業でもPh.Dの方っているんですね!”という感じです。それこそ政治家にもいたりしても良いと思っているので、研究で培ったスキルを様々なフィールドで活かしている人達をA-Co-Laboから増やしていきたいです

役員集合写真

5年後のA-Co-Laboの理想の姿などあれば教えて下さい。

企業側からとりあえず困ったらA-Co-Laboに相談してみよう!という風潮を作ることです。
“A-Co-Laboに行くと面白い研究者沢が山いるらしいぞ”という様な流れを作っていきたい。

原田さんにとってA-Co-Laboはどんなチームですか?

ゴールは同じだけど、混ざり合わないチームだと思っています。
混ざり合わないと言うとすごくネガティブな感じに捉えられてしまうかもしれないのですが、混ざり合わないからこそ意見が言い合える、違う視点を吸収できる。
そういう部分ではこのチーム構成でスタートできたのはすごく良かったなと思います。
同じ想いを持っていて、同じ考え方だったら間違いに気づかないじゃないですか。
本当にこの道で良いのかと悩んだ時に、“これでいいのか?”っていうのを言ってくれる人がいるだけで別の考え方が出来るじゃないですか。
その部分でのバランスが上手く取れているチームだなと思っています。

~感想~
原田さんのA-Co-Laboに対する想いや理想とするA-Co-Laboのこれからの姿を聞き、更に多くの人にA-Co-Laboを知ってもらいたい!と思いました。研究者からも企業の方からも”A-Co-Laboでならチャレンジできるかも”と少しでも思っていただける様にまずは私も情報発信に力を入れたいです!
少しでもチャレンジしたいと考えている企業や研究者の方はお気軽にお問い合わせ下さい。お待ちしております!!原田さん、今回はインタビューでお話を聞かせて頂きありがとうございましたー!!藤堂

興味が湧いた企業の方などいらっしゃいましたらこちら側からお問い合わせ下さい。
研究者の方もこちらから登録申請して頂けます。



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