感想『ふちなしのかがみ』辻村深月
簡単な、メモ程度の感想文です。辻村さんの初の短編集。読み始めた当初は短編集とも、ホラーとも気付かずに読んでいました。笑
「踊り場の花子」では、小学校が舞台になっていました。私も小学生の頃はホラーや怖い話に興味があり、よく友人と話したりホラーの本を読んでいました。
小学生の頃の自分に帰ったような、でも年齢的には先生の方が近いため、先生からの視点で読んだりと色々な視点から読めてわくわくしました。
なんだか懐かしいお話で好きでした。
「八月の天変地異」では泣いてしまいました。主人公の息苦しさや、他人の優しさに触れた瞬間、過ちを受け入れた瞬間など、幼く狭い世界だからこそ、その瞬間は大きな出来事のように感じられると思います。
大人になればすぐに忘れてしまう心の動きも、経験が少ないから何度も後悔し、他人のせいにする。
これまでの話ももちろん面白いですが、また違った雰囲気のお話となっていて大好きです。
小学生の頃の教室や友人、学校の先生、自分自身を思い出させるような作品でした。
小学生って純粋だけど自分勝手で冷たかったり、後先考えられない部分があったりと、今考えると本当に子供だな〜と思います。それでも当時はみんな必死に考えて最善の方法を選んでたし、何かを信じてたと思います。
純粋で単純だから不思議な噂も信じるし、ホラーも信じてました。
『ふちなしのかがみ』は怪談話集とは言っても、懐かしさを感じるような不思議な感覚を味わえて面白かったです。