不器用なミシン
いつも、いきなり始まる
なんの予告も準備もなく
目についた『好奇心』
飛びつく『期待』
ぐるぐる回る
頭の中のメリーゴーランド
目につくものを
片ぱなしから触ってみる
私は不器用だ
そんな私が仕方なくで
ミシンを扱うようになった。
洋裁どころか手芸なんて
絶対無理だと思っていた。
学生時代の家庭科の成績は…
簡単なジンベイすらも作れなかった。
親に泣きつき作ってもらったくらいだ。
母はデザイナーになりたくて
専門学校に行った人だ。
ジンベイなんて
おちゃのこサイサイ
むしろ
なに!この生地の取り方は!
と怒られたくらいだ。
子供の頃の服は
母の手作りだった
なんで
この器用さを受け継がなかった?と
思ったほどだ
だが、いつまでも
親に頼れないときがきた
結婚をして
親もとをとおーーくはなれた
一番最初の難関
夫の作業着の裾上げ
で…できない…
テープじゃだめ?と聞くと
落ちてきちゃうからダメ
ミシンないし
じゃあ、買いに行こう
そして
1万円のミシンを購入
このミシンが私を変えた!
運命の出会い!
裾上げなら
これでいいよね
機能はなんにもついてない
初めは泣きながら縫っていた
なんども
おかぁぁーさーん!
と某CMのように叫んだ
だが、どんなに呼んでも母は来ない。
何時間もかけて
一本を終わらせた。
その後、子供が幼稚園に入園するための
袋物を作る事
母に生地を送って作ってもらおうかな?
とも思ったが、母は目が悪くなり、難しそうだった。
いつまでも、親を頼ってたら、いざという時に困る!
私は生地屋さんに行った
???
生地をどれくらい買うのかわからない
悩みに悩み
失敗してもいいようにと
メーター単位で買い込んだ
(そんなにいらないのに)
今なら
既製品が売ってるけれど
その当時はあまりなく、委託する方法もあったけど、高かった…
なんとかかんとか、
レッスンバックに靴入れ、
お弁当入れ、お着替えバックを
作り上げた
そして
最大の難関!
ピアニカケース。
これだけはどの本にも作り方がなかった。
当時、まだ、幼稚園でピアニカは支流ではなかったせいかもしれない。
布をピアニカに合わせて…
悪戦苦闘して作り上げた
で、ふと、思った
た…楽しい!
ミシンで色んな物を作るのが!
そこから、ミシンにハマり、
友人のお子さんのものまで作るようになった。
「一万円のミシンでここまで作れるなんてすごい!」
驚かれたこともあった。
だが、このミシンもとうとう、動かなくなり、新しいミシンを買うことに
ミシン売り場で
私は浦島太郎になった
ミシンの性能が!
驚きすぎて
色々、ありすぎて…
え?コンピュータが入ってるの?
え?刺繍できるの?
行ったり来たり
どれがいい?と悩み
オーソドックスな
君に決めた!と購入
10万…いいのか、ほんとうに
こんないいのを…
良かった!買ってよかった!
あんなに苦労していた
厚物縫いがスイスイ
糸が絡まない
音が静か
いや楽しいー!
学校で習うのは授業であって
決まり事が多すぎる
そこで蹴躓いて先に進めなくなる
なんだか、言われた通りにやらなきゃ、
出来上がらないみたいな気分になり、
やる気が半減する。
「やり方違う
専門的にならった母が言ったのだから
やり方は色々あっていいはずなのだ。
学校を卒業して
止むに止まれず始めたミシン
誰も指図しない環境の中で
私は私の流派を見つけたから
楽しくなったのだろう。
あの頃の私が見たら
びっくりするくらいに
ミシンを上手に扱っている。
あのまま
母に頼れる環境にいたら
私はミシンを扱えるようにはならなかったかもしれない。
最近
やたらと売りに出せばいいのに
と言われるけれど、
私のように作れる人は増えてきてるので
もう少し、工夫をしないとだめかな、と思っているので、まだ、無理。
いつか
売れたらいいなぁ
不器用でもなんとかなる
ぶきちょでもなんとかなる
できないと思っていても
できる日が来るかもしれない
興味を持ったらやってみる
それが私の生きる目標になった
で、朗読なんてものにまで手を出した
人前で喋るなんて苦手なのにね
いつまで続くのか、好奇心
今日も頭の中のメリーゴーランドがまわる
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