魔女のぬいぐるみ
迷い道に入り込んだ
アリスの出会ったうさぎがはねた
「いそがしい!いそがしい!」
うさぎは言った
「いそがしい!いそがしい」
真似してみた
忙しくないけど
言ってみた
なんだか
急がなきゃってなった
うさぎを急いで
追いかけなくちゃ
忙しい、忙しい!
どんぐりが落ちていた
ヘンゼルが落としたのかな
周りをみたら
男の子がどんぐり落としてた
「おうちにかえれるように」
私は自分の手を見た
どんぐりがいっぱいあった
あの子…
帰れなくなっちゃう
パラパラと手が落ちたどんぐりは
割れてしまった
あの子が振り向いた
悲しそうな顔
すぐに前を向いて
どんぐりを落としはじめた
落ちたどんぐりが
コロコロ転がり出した
転がるどんぐりの後をつけたら
眩しい光が現れた
…
…
…
目が覚めた
私は自分のベッドの上で寝ていた
起き上がると
アリスとうさぎが仲良く
紅茶をのみ
男の子がどんぐりを抱えて笑っていた
えっ?
瞬きして
見直すと
そこにあったのは
魔女のぬいぐるみだった