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洗脳 第7章 褒める

褒め言葉をいただくと
その「言葉」に見合うような
人間なのかな?

ありがとう
そういいながら、ふと思ってしまう

「その人」の全てを一瞬で理解

それはなかなかに難しい

上辺だけで判断してはいけないと思いながらも、この「一瞬」は一瞬でしかない
「その人」をまた会えるかどうかはわからない

交差した一瞬に見える「才能」

でも
その「才能」を引き出すためには
きっと、たくさんの努力をしているだろう

自分にそれができているのか

褒め言葉をもらうたびに
「貴方の方がずっと、凄いですよ」

そう返すのは
社交辞令ではなく本心

「褒めれば調子に乗る」
「できて当たり前」
「まだ、できるはず」
「自分を過信するな」

否定から入る大人達の言葉に
埋もれてしまい
「謙虚」という言葉に縛られた

褒める事の大切さが見直されて
褒める言葉が当たり前に聞こえてきて
私は戸惑う

子供達を褒めなさい

褒められたことがない私にとって
恐る恐るかける
「褒め言葉」は
言葉を覚えたばかりの幼き子のように
辿々しい。

「褒め言葉」を受け入れ始めたばかり私は
まだまだ、度量が足りない

認めると
「調子に乗るな!」という声が
何処からか聞こえてきそうな気がして。

幼き日の体験はなかなかに
私の心を解き放さない。

素直に心から
「ありがとう」が言える日が
来るのを待つしかないのかもしれない

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