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人は神話や物語を好きになる*瀬織津姫

12月に登ったらしく、お土産に、
御岩神社のレースのような、白く綺麗なお守りをいただいた。
御岩神社は日立市の、水戸藩の初代から歴代藩主が参拝する、
常陸国最古の霊山と言われている。
明治維新で行われた神仏分離というものがあるが、
ここは神仏習合の文化に回帰した珍しい神社という特徴もある。


「なんで行ったの?」
「そういうの好きな人が案内してくれるって言うからね。
すごいパワースポットなんだって」
「え~私も行きた~い」
「その手じゃ無理無理。つまづいて転ぶよ。
それに行くんじゃないの。こうやって山に登るんだから」
やって見せた両手のジャスチャーは、ヒーヒーと這い上がる感じ。。。

「ともかく、神様がいっぱいいて珍しいらしい」

検索してみたら、御岩山全体では、言ってみれば宇宙創生の神、
天之御中主あめのみなかぬし神を始めとした御祭神は188柱という、神様総パレード状態。
そして確かに私では表参道も裏参道も歩けないのでは、と思ってしまった。
あちこちに浮き出る、杉の根をかわして登り歩くのは、かなり大変そう。
古代の磐座いわくら信仰のことを思うと、
そもそも御岩山自体が、巨大な磐座いわくらになっているのではと思ってしまった。
樹木の中で、杉というのは根が浅いと教わって来た。
その杉が、土に入り込めずに、地表を覆って、その身を支えている。

でもそれだけでは、人は魅かれない。
やはり夢を見せてくれるような物語があるのだ。

1971年1月打ち上げられたアポロ14号船内でのこと。ミッチェルは、地球上で1か所だけすごく光っている場所を目撃。後日、彼はその緯度や経度を計測し、来日してこの御岩神社を訪ねてきたと言われています。
「日本に光の柱が立っていて、その場所を調べてみたら日立の山の中だった」
向井千秋氏もスペースシャトルに乗って宇宙から地球を眺めていた時、日本に光の柱が立つのが見えたと言います。
場所を調べてみたら、日立の山中。彼女だけでなく他のクルーもこの光を見たとの噂もあり、やはり場所はこの御岩神社だったのではないかと言われています。

【御岩神社】宇宙飛行士ミッチェルと向井千秋が宇宙から見た光柱?

(神社巡りとか山登りとか、好きになったのかな?)と思いながら、
別の友人のことも思い出す。
ご主人に身体の不自由があるため、行動的ではあるけれど、
出かけると言えば神社仏閣ばかりで、理由はと言えば、
ご主人が出かけられる場所が限られているのだ、ということと、
「不自由になったあと、鬱状態が酷くなったもんだから」と、
あちこちをお参りするのが癖になってしまったのだという。
考えてみれば、私自身も何年も私なりの波乱万丈の中にいる。
こんな風にいろんな物事が続く時期が、
どんな人にもあるのだろうと、しんみりと思うことがある。

今年は巳年でもあることだし、白蛇や白龍とも言われる、
瀬織津せをりつ姫の物語にひたるのもいいかも知れない。
その名は、古事記にも日本書紀にも出てこない。
唯一その名が出てくるのが、六月晦大祓みなづきつごもりのおおはらえ祝詞のりとで、
伊勢神宮の荒祭宮に祀られている、天照大神荒魂あらみたま瀬織津せをりつ姫だ。
持統天皇の時代に、全国の神社からその名前が消されていった理由は
天照大神を女神として、皇祖神に仕立てるために、
皇后である瀬織津せをりつ姫の存在が邪魔だった、という説が一番しっくりくる。
水、川、滝、桜の祓い清めの神。
いまなお全国に、その名のままに、或いはその名を変えて、
お祭りされている瀬織津せをりつ姫の名は、響きも本当に美しい。


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野原 綾
花の苗を買って、世界を美しくすることに頑張ります♡どうぞお楽しみに♡

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