仲買人の目利き力
2019年、NHKの「東京ミラクル 築地」という番組を見てメモしていました。
築地市場は「東京の台所」と呼ばれた日本最大の卸売市場でしたが、ちょうどこの番組が放映された頃の2018年に豊洲市場へと移転しています。
僕は広島に住んでいるので、現在(2024年)の築地市場やその周辺が、どうなっているのか分かりませんが、上手に再開発されているのかもしれませんね。
さて、番組の内容はすっかり忘却の彼方なのですが、仲買人(卸商品を競り落として料理人に売る代理人)にフォーカスされていたのだと思います。
料理人は調理のプロです。
食材に精通し、旬や、縁起にも詳しいでしょう。
料理人にモノを売る仲買人は、セールスマンの機能を持っていると思うのですが、その道のプロである料理人がお客様、「プロの使うモノ」が商材です。
従って「プロの使うモノ」に、プロ以上に精通している必要が求められるのでしょう。
学校で言えば、生徒より先生の方が、学力的に秀でている必要がありますよね。
難関校を目指している生徒なら、先生はそれ以上のパフォーマンスが求められます。
これって、あらゆる業界で、モノがやりとりされる際に必要とされる真理だと思います。
やりとりしているのはモノですが、その本質はモノが持っている価値です。
モノを通して、高い価値、必要以上の価値がやりとりされているのがビジネスです。
だからこそ、どんな人も勉強が必要なのかもしれません。
モノを使う人はもちろん、モノを提供する人にも、高い知識や提案の引き出しが、そのビジネスを行うにあたってのパフォーマンスですから。
ビジネスパートナーで(仲買人とか)が高いパフォーマンスを持っていると、買ってくれる人(料理人とか)は、モノと同時に安心感を得てもらえるのでしょう。
「あの人から買うなら間違いない」は、まさにブランド。
今やアマゾンとかのECサイトが、多くのモノを購入する場合の仲買人の役割を担っています。
ただ、「やはり人から買いたい」と思うモノも少なからずあると思います。
高額なモノや、命や健康に関わるもの、食もそうかもしれません。
高いパフォーマンスを持った人の輝く領域は、これからもあり続けると思うのです。
「目利き」や「腕利き」や「ハイ・パフォーマー」や「エース」や「切り札」などと呼ばれる方が切磋琢磨し、バチバチの真剣勝負をする場には憧れがあります。
それは武士道とか、求道にも続くものと思います。
AI活用や自動化を否定するわけではないのですが、真髄を目指す文化は、あり続けて欲しいと僕は思います。
それをロボットたちが身につけた未来、「地球人」は人からロボットへと移ってしまう気がして…。