困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき
原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」は傑作だと思います。
原田マハさんは、僕の好きな作家である原田宗典さんの実の妹さん。
原田宗典さんのエッセイの中では妹さんの描写も時々あったので、昔は「ハラダさんのあの妹(笑)」だったのに、今やすっかり人気作家さんですね。
冒頭の一説は、小説のセリフからの引用です(多分)。
困難っては人生の中で逃れられないものだと思います。
健康面でも、精神面でも、仕事や進学への壁、恋愛、あるいは親しい人との別れ…。
どん底に堕ちる経験をしていない人はいないと思います。
どん底に堕ちた時、思考は停止するか、堂々めぐりするか、そんな風になってしまうのが人のように思います。
どんなことにも折れないし、めげない人は、むしろメンタルを病んでいるのかもしれません。
どん底に堕ちて、底にいつづけることが許されないのも人です。
生きていかなければなりませんから。
ただ、再始動するための自然治癒力はちゃんと備わっているのかもしれません。
「泣く」という漢字は、「さんずい」に「立つ」ですし、「歩く」は「止まる」を「少し」です。
「泣く」という感情の発露は、ポジティブに向かう起点になるのかもしれません。
赤信号で止まったクルマのクラッチを解除し、ゆるゆると少しずつ加速して動き出すのが「歩く」なのかもしれませんね。
困難に直面した時に限らず、上を向いて歩くのは意識したいものです。