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「サマーバケーション」


夏ですね。

外で蝉が元気に鳴いているのを聞くと嬉しくなる。
幼い頃からと同じように、今年も夏が巡ってきている。その度に、おかえり、ただいま、という気持ちになったりする。
当の蝉のほうは、必死なのかもしれないけれど。

私ももっと懸命に生きるべきか、と
心では何となく焦りながらも
涼しい部屋で呑気にコーヒーフロートを喫しているのだった。

アイスコーヒーにスーパーカップをぶち込むだけ。
軽率かつ素敵なコーヒーフロート。


唐突ですが、私は夏が絶望的に似合わない女。
これっぽっちも爽やかではないからね。

色で表すと秋の、少し燻んだ濃い色が好き。
パーソナルカラーと個人の趣向に相対性があるのかどうかは知らないが、
とりあえず自分は、夏があまり得意じゃない。

カネコアヤノの「サマーバケーション」を聴く。
しみじみとした冒頭から、途中で疾走感のある曲調に変わる。決して明るすぎない曲。過去に囚われたような陰りを持ちながらも前を向こうとしているから、自分にも好きな夏が見出せそうな気がしてくる。

"最高の思い出作りしよう
夏は苦手だからこそ"

戻らないものを忘れられず、
何となくいつも卑屈に捻くれている。
そういう自分でも、別に大丈夫。
これからいくらでも楽しいことがあるんだよ。
今までだって、そうだったでしょう。

夏が得意でなくても、そう思える。

人それぞれの夏があることでしょう。
今までや、これからは、どんな夏でしょうか。

みんな楽しんでいたらいいな。
天気とは裏腹な憂鬱を抱えていたとしても、
それも人生のひとつのエッセンスとして。

楽しんじゃいましょう。
苦手だからこそ。


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