伝話 『 洞窟に消えた聖剣 』
洞窟の中腹、地の底に降りていく中頃に、遥か昔から一本の聖剣が突き立てられていた。時に人は洞窟に潜り、その中腹に疼く聖剣を抜き、外の世界にある困難や魔物を打ち倒そうと、まだ重く感じられる聖剣を引き摺って洞窟を這い出、自らをそこに追い立てたものを切り裂きに出向いた。そして使命と仕事が終わると洞窟へ帰り、自分が抜いた場所よりほんの少し深い場所へと刺して戻した。幾十の歴史に幾千の英雄譚が語られて、その度に聖剣は抜かれ引き摺られ背負われ使われながら、血を浴びて肉を裂き、一つの悪を終わら