鳴り響く先生の秋布団干し 211011
パンッパンッパ~ン!!!
パンッパンッパ~ン!!!
高く乾いた空に…、突然、音が鳴り響いた…。
音におびえ…保護犬おかづ…は吠える…。
「何?なに?なに?…うぉわぉうぉ~ん…!?」
「いやいや、あれはただ干した布団を叩いてる音やで…。ちょっと…叩きすぎやけどな…」
音が鳴るたび吠えまくるので、気を紛らわそうとした父さんは…、
突然ベッドに逃げるように走り込みジャ~ンプ。急な展開におかづはびっくりして追いかけジャ~ンプ…久しぶりの追いかけっこが始まった。
いつもは、家の中をただ逃げ回り、すぐに「もう…疲れた無理…」と、すぐやめる父さんなのに…。
今日はまた、
パンッパンッパ~ン!!!
鳴る…おかづは吠える…。
逃げるようにジャ~ンプ…。追いかけっこ開始…。
パンッパ~ン…!! ジャ~ンプ…!!
「ふぅ~…、、ふぅ~…」父さんの息がきれる。
何回繰り返しただろうか…?
………?
ん?終わったか…?
「ふぅ~、ふぅ~…」と息を切らしながらも…、笑いながらも…、鳴り終わっても…父さんの耳は何かを探していた…。
探す…。
パ~ンの音を…。来ないか…?
「ほんまに…、気にすると探すよな~」
「気にするからや…」とかな…。
「気にするのは本能やから普通やで…」とかな。
「まあな…気にならんで…」と言いつつ
「探し…、どこやったんやろ…?」
おかづは知っていた「あんな…父さん…パンッパ~ンな…、
前の先生の家やった…」
「先生…?」
先生…、
鳴らして…ええよ…鳴らして…、
まだ、大変やろ…?
前より、まし…?